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十一月歌舞伎座夜の部観劇 忠臣蔵 仁左衛門の早野勘平

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赤穂浪士の討ち入りの日は、12月14日。歌舞伎でもこの時期になると仮名手本忠臣蔵の演目が上演されることが多くなります。今はTVでの時代劇がなくなりましたが、以前は、年末特番とか、何かと赤穂浪士物がありました。10年程前に、会社の若い子を歌舞伎に誘い、「忠臣蔵ものだから」と言ったら「それ、なんですか?」「聞いたことあるけど」という反応でとても驚きました。「お軽勘平」と言ってわかる人の世代格差は、今、どんなことになっているのでしょうか?

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十一月歌舞伎座夜の部 忠臣蔵五段目・六段目。

一幕目は、仮名手本忠臣蔵から五段目と六段目。救いようのない二枚目、早野勘平が仁左衛門ということで、観るのがつらいけど、観ないわけにはいかない。

歌舞伎座で初めて観た時は、有名なこの段の芝居を知るということが目的で、普通に受け入れていました。ところが、孝夫(仁左衛門になる前)の勘平を観た時に、勘平がかわいそうでかわいそうで、いたたまれなくなりました。身から出たさびとは言え、死ななくてもいいのに死ぬ、その無念を思うと・・・。その時の母の役者が、生ぐささのあるイラッとする責め方で、この母に「うるさーーーい!!」と怒鳴りつけたくなるほど。どうにかならなかったのかと、芝居に入り込みすぎ、うるうるして、どーーんと落ち込みました。

しかし、その後、他の役者で観た時は、勘平の甘さに疑問を持ち、中途半端な男だなと。もともとが主君が起こした事件の時に、恋仲になっている(それもすでに不忠)腰元のおかるの強引な誘いに「ついうっかりと」引きずられ、「色に耽ったばっかりに」仕事場から離れていた。自分を恥じて死のうと思ったけど、またおかるに「強引に引きずられ」て、彼女の田舎に落ちていく。武士としては、恥ずべき行動が、ただ二枚目であることで、許される。

お舅を殺したと勘違いして切腹に至るのも、すべては、この甘さのせい。誤って殺したとは言え、旅人の懐から五十両という大金を盗んでいるわけですから。それをシャーシャーと、元の武士仲間に渡し、武士に戻って仇討仲間に加われると思い、家に帰って浮かれている姿は、なんだかムカッとする。おしゃれな紋付に着替えたりするのが、ますます腹立つ。

その後、お舅を殺してしまったのだと思い込んだのも、もともと死んだ人の懐から盗んでいるからだし。悔やんでいるように見えながらも、元の武士仲間が来たら、ガラリと態度が変わって、ペコペコしてる感じで不愉快。だからその後の展開もすべて自業自得かと。一般的には人気の演目でしたが、観たくない演目になっていました。

十一月歌舞伎座夜の部 仁左衛門の勘平には心情が添う

ところが、仁左衛門だと全く違う。今日、しみじみそれを感じました。まず、清らかさがあること、純であること。なんと言っても二枚目だし、それがにじみ出ているので、武士にもう一度戻り、仇討に加われないかと思い詰めていることも、素直に受け止められる。

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だから、殺してしまったと思った旅人からお金を盗むところも、「天の助けと思って」というのが納得できる。本当に、仇討に加わりたいと一心に思い詰めていたからだと、その気持ちに同化できる。だから、家で「ご紋付に」と言って着替えるのもほほえましく思える。

その後、お金を盗んだ財布が、お舅の持っていたものだと確認してからの、自分を責めさいなむ様子が、ただひたすらせつなく悲しい。この悲しむ様子が伝わってくるのも、仁左衛門がすらりとした体形だからなのもある。細い肩の線から、苦悶が伝わってくる。

武士の仲間が来て迎い入れようとする時に、母が「逃げるのだな!」とすがりついてくる時の、「情けなや」「逃げはしない、私の腰にしっかりつかまって」というあたりも、どうしようもなく悲しい気持ちが伝わってくる。

武士であった自分の不届きを、責めさいなんできた深さがあっての一連の行動。そして、切腹して後、お舅の死の原因が刀傷であって銃ではないことがわかり、切った腹を抑えながら確認にいくところ、その後の苦しみから解放された顔。つらい気持ちがずっと伝わってきているので、自分は舅を殺していなかったという安どの表情に、ホロリと涙が。こちらもこらえてきた気持ちがゆるみます。

そして連判状に血判し、最後を迎える。今日はいたたまれない、という思いよりも、命を落とすことにはなったけれども、主君の事件からずっとかかえていた苦しみから、仇討の仲間に入れて、やっと楽になれたのだなと思いました。本当に、仁左衛門だからこその役作りだと思いました。この役は、たぶん今回が最後になるだろうと仁左衛門は言っています。かわいそうだった勘平が、肩の荷を下ろすことができ、成仏できたと感じることができました。

10月歌舞伎座は、 勘三郎の七回忌追善公演 。亡くなってもう7年も経つのかと言う感慨と、でも、 あの時のショック、悲しさは、消えることないという気持ちが、同時に湧き上がります。遺影となる写真を見ると、まだ胸がうずきます。
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