月組「夢現無双」感想 宝塚的オリジナリティは?齋藤先生よかったね💀

宝塚大劇場にて、月組「夢現無双」を初日開けての月曜日、火曜日公演を、連続3回観劇。この公演で、まさかの2番手スター「みやちゃん退団」という衝撃があったからの観劇です。

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月組「タマミヤコンビ」の魅力

主演のタマキチ(珠城りょう)は、堂々とした”男らしさ”が魅力で、このきちんとした存在感があるから、小柄なみやちゃん(美弥るりか)の、いたずらっこのようなかわいさや、色っぽさが引き立っていて、タマミヤコンビは大好きでした。ていうか、みやちゃんがトップになった時、相手役になる娘役のイメージはわかないなとも。

「夢現無双」は「宮本武蔵」のダイジェスト

「夢現無双」は、有名な吉川英治作の「宮本武蔵」が原作です。巌流島の佐々木小次郎との対決については、なんとなく知っている、聞いたことがある、という方はある程度いるでしょう。

でも、そのクライマックスのシーンは、ほんのチョット。タマミヤコンビの絡みを、瞼がトロリとしながらも、喉がからから乾く程待っていた身としては、「えっ?たったこれだけ?」「ハーッ??」という驚きの短さ。感覚的には、30秒ぐらいな感じで、「これがみやちゃんのサヨナラかっ!!」という思いもあって、怒りがわくというか。

物語の主軸は、武蔵が子供の頃から暴れ者で強かったこと、村から逃げたこと、武道一門と対決して名を上げたことなど、「宮本武蔵」のダイジェスト版です。

もちろん、れいこちゃん(月城かなと)のへたれの又八のシーンや、白雪さちかのバイタリティ溢れる商売人のシーンや、海乃美月の美しくも儚い吉野太夫のシーンや、さらには組長の光月るうさんの「サヨナラか?」と思えるほどの主演と絡むシーンとか、いいところはあるんですよ。でもね、肝心のみやちゃんを描くシーンが少ないのです。カッコよく登場するだけです。

タマキチは、剣士としての地味な衣装も良く似合い、立ち回りも堂々としていて、「女子がやってる」感じはありませんでした。そういう意味では、齋藤先生が、パンフレットで「この公演が決まった時、瞬く間に宮本武蔵が、彼女にオーバーラップししました」というのは、わかります。でもね、タマキチの素材があっていれば、それだけでいいというものではないのですよ。大切なのは、相手役と2番手との絡みがどうか、ということですよ。男らしいタマキチが、恋をしてどう変わるか、とかが魅力なのではないですか?

宝塚的オリジナリティは?

吉川英治の「宮本武蔵」では、幼馴染のお通が、武蔵をずっと追っかけていきます。この公演は、美園さくらとのお披露目公演だというのに、恋愛のコミュにケーションはありません。

録音で「ホントはお前を慕っている」と流れるだけ。一方的に迫るお通が、この時代の女性として、かなり強気な感じに見えてしまう。

宝塚だったら、幻想のシーンを作って、美しい衣装を着た二人が、愛をはぐくむようなシーンがあってもいいはずです。そういうシーンを生み出すのが、宝塚の演出家たるものではないでしょうか?

佐々木小次郎も、キリシタンだったということで、十字架をかけていましたが、その物語は何もない。みやちゃんの神秘的で美しい姿に頼っているだけ。いくらみやちゃん好きであっても、その人の背景が見えないと、満足はできないです。

パンフレットを読んで感じるズレ

初見のあとに、パンフレットの演出家のページを読み、「宝塚って、今時、マーケティング感覚がゼロでも、演出家になれるのね。奇跡のような恵まれた場所だな(タメイキ)。」と思いました。

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齋藤先生は、「宝塚の観客の9割以上が、女性だ」ということが、なんなのかということを全く理解していない。そして、齋藤先生にとって「宮本武蔵」を上演することが、どんなに幸せか、ということはわかり・・シラケました。

パンフレットから感じる違和感

「宮本武蔵」を書いた吉川英治は、「三国志」「新・平家物語」「私本太平記」等を書いていて、「客様の中でもそれらの小説に没頭、読みふけった方もいらっしゃる事でしょう」

一つも読んだこともありません。「宮本武蔵」も、読んだことありません。

ただ、小学校6年生の時に「風と共に去りぬ」を読み、はまりました。高校生の時、宝塚で「ベルばら」を知り、漫画にどはまりました。ほぼ、毎日読み、同じシーンで涙し、かなりなコマワリ、セリフを暗記しています。

齋藤先生とは、大分、趣味嗜好が違います。

これは、私一人のことでしょうか?

宝塚には、若いファンもいます。というか、劇団は、若いファンは獲得したいのではないですか?それなのに、語っていることが、この「宮本武蔵」が

「朝日新聞の連載小説として話題を集め、社会に”武蔵ブーム”を巻き起こしました。」

「当時の映画会社はそれぞれ片岡千恵蔵さんに始まり、三船敏郎さん、中村錦之助さん、高橋英樹さんら大スター達を招聘し武蔵主演の映画を競い合うように製作」。

TVのヴァラエティーで人気の高橋英樹は知っている若い人もいるでしょう。時代劇が減ってきている今、これを読んで、ピンとくる人がどれだけいるのでしょう?

さらに、TVでは、上川隆也に歌舞伎の海老蔵(当時は新之助)、キムタクも武蔵を演じたと、みーんなが知ってるはずというノリです。私は、NHKの大河で海老蔵主演の時に見ました、歌舞伎ファンなのでね。

さらに、違和感を感じるのがみやちゃんに対するコメントです。

「誰もが知る武蔵の好敵手、天才剣士佐々木小次郎はこの公演をもって卒業を決意した美弥るりかが演じます。数々の主演作は勿論、繊細でダイナミックな歌劇が誇る”麗人”のラストステージにも是非ご期待ください。」

期待は、大きく裏切られました。

自分は一番強いと言い、大きな幔幕の前で、カッコよく待っている小次郎が、あっさり敗れる。自分が強いと勘違いした、ちょっとしたオマヌケに見えます。綺麗な衣装を着せれば、麗人なのではありません。生き方ですよ!!

私はみやちゃんファンなので、余計に齋藤先生のコメントに、強烈な違和感を感じますが、タマキチファン、さくらファンは、これで、この作品のお披露目でいいのでしょうか?

まとめ

宝塚で、男の趣味の押し付けに、お金と時間、使いたくないです。でも、みやちゃんは最後だし、そう思うと、東京のチケットも、もっと探さなければと思う。

宝塚のスターは時間が限られているので、つまらない作品であっても、ファンは観ることを止められない。だから、演出家には、マーケティングング能力ゼロでやっていける人もいる。

その組の構成を見て、スターに宛て書きできない演出家は、いらないです。

ミュージカルの名作「雨に歌えば」が、月組の本公演後の別箱公演。宝塚の初演の星組、安蘭けい主演を観ており、とても楽しかった。「リナ」という変な声のいわば敵役の女優がいるのですが、今回はマユポン(輝月ゆうま)が!!これは大抜擢ですよね?
ぶかぶかの宇宙服を破って出てきたバッディのタマキチは、サングラスもくわえタバコも似合う!「ハッハッハッ」という高笑いも、声に奥行があり、いい!!がっしりと男らしいので、ハツラツとした健康的な悪党という感じ。悪党チームのダンスにしびれます。
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