月組「アイムフロムーオーストリア」感想 タマキチは若返っていたけど

「何で、今更このミュージカル?」

1幕後半ごろになっていたでしょうか?この気持ちが頭をもたげてきたのは?

タマキチは若いぼんぼんでスッとしているし、れいこちゃんは嫌なヤツを元気一杯演じている。サクラも前作のお通よりも、ずっとずっとずーーっといいです。

さらに、ちなつはお色気たっぷりで期待を裏切らないし、るうさんは驚きの面白さ!!

出だしはよかったのです。だか、しかし・・・

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「アイムフロムーオーストリア」の音楽は

「オーストリアでは大人気を得たミュージカル」「主題歌『I AM FROM AUSTRIA』は、第2の国歌」とも言われているということで、どんないい曲が聞けるのかな、とそれなりに期待していました。

が、その音楽が私にはピンとこなくて・・。

最近の海外ミュージカルに比べると、のんびりした音楽に感じました。派手なところも、ひねったところもない。綺麗な流れるような音楽とも言えますが。

だから、当然ダンスにもインパクトがない。リピーターと思われる方たちは、手拍子して盛り上げていましたが、私は全く乗れませんでした。

また、踊っているのが、ホテルの従業員だったり、一般人が踊るので、なんだか地味。海外ミュージカルなのに、正塚先生のバウ作品を見ているような気になってきました。

海外物だからの無理を感じたところ

番手による役付き

宝塚には番手があるので、こういう親子が主要人物のものは無理があるなと思いました。

ちなつはダンディな叔父様が似合うだろうと思っていたら、まさにその通りで、素敵でした。妻に尻にひかれているのも愛嬌で、ちなつ夫が、うみちゃん妻に合わせて意見をコロッと変えることで、笑いを取っていました。本当に芸達者です。

でも、母親役の海野美月には無理があった。面長の顔に、金髪のストレートヘアで、頬がこけて見えて、親年齢の人ではなく、ただやつれた人に見えた。家付き娘で仕事に夢中というドンとした感じもなかったし。白雪さちかぐらいがやれば、もっと面白かったと思う。けれど、それは、番手があるからできない。さちかは、面白い役をして、笑いをとっていましたが。

男役は元々作ったものだから、実年齢との差がなくても、今回のちなつみたいに、髭つけてダンディな叔父様だったら、それでいい。でも、若手娘役スターの場合、素敵な叔母様になるのも、アクのある叔母様になるのも難しい。美しく老けるというのは、至難の業だなというのがわかりました。

星組は、紅ゆずるのサヨナラ公演で、万里柚美さんが母親で、存在感があってよかった。やはり、年齢のバランスというものが大きい。

オーストリアの景色は、キレイでしたが

ヘリコプターが出てきた時は、「わーっ」という盛り上がりはありました。でも、オーストリアの景色を見ても、ヨーロッパだなと思うぐらいで、タマキチとサクラのように「私たち、オーストリア人なのね!!」っと盛り上がるわけもなく。物語に乗れていたら、少しは二人に気持ちが寄り添えたかもしれませんが。それより、いくら自動とは言え、ハリウッドのトップ女優が、操縦免許持っているのか気になりました。スキーも禁止されてるのに、ヘリの操縦はいいの?欧米では、車の運転ぐらい簡単なことなのでしょうか?クレーンがあるからヘリコプターができる!」っていうのも、このミュージカルと契約した理由か?とも、思ってしまいました。

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アリちゃんの筋肉マンという設定

西洋人の筋肉マンって、男性であっても、かなり人選厳しいでしょう?そもそも筋肉マン好きだったら、宝塚、見ないよね。それなのに、宝塚に持ってくるのがわからない。設定変えられなかったのか?ただし、アリちゃんは、刈り上げの髪にして、肩幅広くし、キレキレの動きで、別キャラとして、とてもよかったです。

意味のわからない展開

エマの実家は裕福なの?

エマのお母さんは、キヨスクの店員をしていて、身なりからもどちらかというと生活厳しそう。エマは貧しい生活から抜け出たくって、ハリウッドに渡った、その後、母親と縁を切っている、というように感じていましたが。山に別荘もっていたんですね。それも、ヘリで行くようなところだから、幼い頃は、家族でヘリに行っていたのでしょうか?母親は、なぜまだ別荘持ち続けているのでしょうか?固定資産税もかかるでしょうし、雪が降る地域で、別荘ほったらかしていて大丈夫なの?

なんで4つ星から5つ星になれたの?

女優が来たことをツィッターで従業員が流し、滞在中に、経営者の息子と女優が行方不明になり・・・。なんでそんなホテルが5つ星になれるの?星を無くすのが普通じゃない?

意味不明な婚約の強制

アリちゃん演じるアルゼンチンのサッカー選手といえば、大スター。そんなスターが、なぜ、婚約を一方的おしつけられなくてはいけないのか?かなと君演じるエマのマネージャーとの特別な人間関係は無いようだし、「エマと結婚したら特だよ!」と話をつけている様子もない。何の根拠もないことを、押し付けているかなと君は、悪役と言う程の凄みはなく、かなりな勘違いの人でした。だから、悪態も浮いているというか。人物の描きようがなく、かなと君がもったいないような。

エマの「故郷を裏切るように」って?

エマがすでにオーストリアの人気女優で、「朝ドラ主演蹴ってハリウッドに行った」とかなら「裏切って」ってわかるけど、何のコネもなく、言葉の壁(日本人よりは、英語話せるのか?)をものともせず、単身ハリウッドに乗り込んで成功したって、喜ばしいことじゃないでしょうか?胸をはっていいことだしオーストリア人にとっても、誇らしいことでは?何を屈折しているのでしょうか?オーストリア人のアメリカに対する何かがあるのかもしれないけど。わかりません。

二幕始めのフィットネスのシーン

一幕終わったあとは、あきらめモードでしたが、二幕始めには思いもかけず楽しいシーンがありました。ありちゃんとるうさんでのフィットネスのシーンです。

るうさんの歌と、ありちゃんのフィットネスダンスで、盛り上がります。アリちゃんの脚がスッと上がるのは、本当にいつ観ても気持ちいいものですが、るうさんの力も大きい。前回「武蔵」の時にいい役をしていて、さらに、ミヤちゃんを送る言葉に暖かさがあって、心に残る一人になったのですが、今回はその芸達者ぶりに本当に驚きました。「お茶会行ってみようかな?」と思うほどでした。

アリちゃんは、筋肉マンを意識しているのか、ますます気持ちのいいスカッとしたダンスを見せてくれて、目が離せません。そして、観客も参加できるので、楽しめました。

舞台装置と衣装

今、東京公演は花組。上田景子先生のこだわりで、舞台装置が本当美しい。もちろん衣装も。それと比べると、このホテルの装置は星が4つドーンとあり、単純で、かなり情緒に欠けます。宝塚の広い舞台で見ると、スカスカ感が否めない。ゲンナリしたのは、5つ星を取ったということで、大きな星が5つビカビカすること。それがハッピーエンドか?

ポスターの時点で、サクラ演じる女優エマの衣装が、「これってどうよ、おばちゃんぽくない?」ということで、素敵とは程遠い。でも海外ものだからしかたないのだなと。さらに驚いたのがホテルの部屋着のジャージの上下、オレンジ系で中ぐらいの大きさの花柄。オーストリア人がグラマーな体型で着たら似合うのかな?と思って見てました。その後の、半分白で、半分黒の衿が広くあいたミニスカートワンピースも、レース使いで妙にかわいい紺色のワンピースも、サクラに似合っているとは思えず、すべて、海外もので決まっているから仕方ないと思っていました。でも、最後のオペラ座のピンクのドレスは、本当に美しく、やっと「宝塚を観た」という安堵感に包まれました。

月組に合うものは?

この作品は、今の月組に必要な作品だったのでしょうか?「エリザベート」の関係があるから?

サクラは歌えているけれども、タマキチはなぜだか音程が少し下がってピタッとはまらないことがあります。音を伸ばす歌が多いので、それが、だんだん気になってくる。主題歌のよさは、エトワールの歌を聞いて、始めて感じたぐらいですから。本当に歌える人でないと、良さが伝わらない難しい曲なのでしょう。

コメディ部分は、るうさんとちなつ、さちかが請け負っていたのでどうにかなりましたが、タマキチ、サクラ、かなと君の3人に、ロマコメってどうなの?主要3人にコメディ度が薄いから、ストーリーのアラが気になったのでは。この3人には、もっと葛藤があって、ごちゃごちゃして涙するようなもののほうがいいのでは?ちなつもいる訳だし。

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