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川瀬 巴水(明治16年 – 昭和32年)は、新しい浮世絵版画である「新版画」を確立した人物です。日本的な美しい風景を叙情豊かに表現し、「旅情詩人」「旅の版画家」「昭和の広重」などと呼ばれています。海外では葛飾北斎・歌川広重等と並び称される程の人気があり、スティーブジョブスが、愛好していたことは有名です。
なんでも鑑定団(12月11日)川瀬巴水は本物か?
なんとなく新聞のTV覧を見ていて、目に飛び込んできたのが、テレビ東京の「開運なんでも鑑定団」に「”昭和の広重”川瀬巴水の貴重版画に驚き鑑定」というコメント。
「もしかして、本物を持っていた人が登場するってこと?」と、俄然興味がわきます。私は、この方のファンなので。
この番組には、本物と思っていたら、1000円ぐらいだったとというのもありますが、時々すごい本物が出てきますよね。このTV覧のコメントからは、この「すごい本物」だったことが感じられます。
もし、川瀬巴水のものだったとしたら、どの時代のものだろう?また、版画は何枚も摺るので、絵師の指導のもとで、完成された初版摺りのものと、そうでないものでは、仕上がりが全く違い、それとともに、価格も大きく違います。もし、初版摺りのものだったら・・・
巴水の件は、この予告動画の最後の方に出てきます。
川瀬巴水は、昭和の広重
巴水は、27才という遅いスタートから絵師となった、変わり種です。初めは美人画をめざしますが、限界を感じ、版画の風景画絵師に転向。
旅のスケッチを元に生み出した「旅みやげ」シリーズ。東京に生まれ、東京の日常を描いた「東京十二景」や「東京二十景」。どれも人気作品となり、活躍します。
巴水の版画は、江戸時代の浮世絵に比べ、色数がはるかに多いのが特徴です。葛飾北斎の有名な「赤富士」は7色、巴水の場合、どれも、30色が平均になっています。これは、新版画は江戸時代の浮世絵と違い、色の深みを出すために、最初に土台となる地味な色を摺り、その上に色を塗る重ねていくからです。
新しい技法もあり、巴水らの活躍で、新版画は高い人気を得ます。そして、衰退していた日本の浮世絵版画を復興し、「昭和の広重」とまで言われるようになったのです。
最後の作品は、胃癌との闘いながら昭和32年に生み出されます。絶筆「平泉金剛堂」です。
川瀬巴水を、スティーブジョブスが愛好
浮世絵は海外で人気があり、明治に流出した作品を、たくさん持っている海外の美術館もあります。そして、新版画も、海外の愛好家に向けて輸出することも考えて、立ち上げられたものです。
新版画の版元の渡邊庄三郎は、最初のトライ作品で、夏の軽井沢に来る外国人たちの反応を試しています。そこで、売れ行きがよく、自信を持ってスタートすることができたのです。
川瀬巴水は、スティーブジョブスが愛好していましたし、巴水と同時代に活躍した、同じく新版画の風景画家、吉田博の作品が、故ダイアナ妃の執務室にかざられていたこたも、愛好家の中では知られています。
川瀬巴水の作品が見られます
「なんでも鑑定団」で川瀬巴水に興味を持った方に、おすすめするのが、三重県のパラミタミュージアムで開催されている「浮世絵モダーン展」(12/6~1/14)です。
http://www.paramitamuseum.com/plan/exhibition.html
http://www.isenp.co.jp/2018/12/08/26026/
三重県といっても、名古屋から近鉄に乗り、1時間程で行けます。
近鉄「四日市駅」下車、近鉄湯の山線に乗り換え約25分「大羽根園駅」下車。西へ300m
http://www.paramitamuseum.com/info/access.html
この美術展のことを知り、ちょっと遠いな、とは思いましたが、好きな新版画がたっぷり見られる。それに、地方のゆったりとした環境で味わうのもいいなと思い、年内に行くことにしています。
「なんでも鑑定団」で取り上げられるのも、何かの縁。海外で人気の日本の魅力を知るために、足を伸ばされては、いかがでしょうか?
https://yukimana.com/5584.html
https://yukimana.com/5066.html