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これからの生き方や解決法を考えるのが「ハートネットTV」。「人間を撮る 自分を見つめる~元町プロダクション」は、7月12日放送が好評を得ての、アンコール放送です。
ドキュメンタリー映画監督の池谷(いけや)薫氏が神戸に拠点を移し、元町映画館で、「元町プロダクション」を設立。アマチュアの人々が、家族や友人を撮影する様子を追っています。
元町プロダクションとは
池谷監督は、昨年、甲南女子大(神戸市東灘区)メディア表現学科の教授に就任しました。同時に、一般向けにドキュメンタリー塾を開講したところ、撮りたいモチベーションを持った人が、予想以上にいることに気づきます。
そこで、制作集団「元町プロダクション」を結成。25人のアマチュアの人に、ドキュメンタリー映画について指導していきます。
池谷監督は、「アマチュアの人が映画を撮りたいというのは、自分探しというところがある。」「自分達プロにもそうです。他社にカメラを向けながら、自分は何ものだ、と問うている」と。
「何を撮りたいのか」「どうして撮るのか」を、アマチュアの人とともに突き詰めていきます。
池谷薫監督の作品
池谷薫さんは、テレビドキュメンタリーの世界に入り、NHKスペシャルを含む数多くのテレビ・ドキュメンタリーを演出し、天安門事件を目の当たりにしてきました。
池谷薫監督の映画
2002年からは映画に進出し、文化大革命に翻弄された父娘の再会を描いた『延安の娘』は、世界30数カ国で絶賛され、多くの賞を受賞しました。
2作目の『蟻の兵隊』(2005年)は、見捨てられた中国残留日本兵の悲劇を描き、記録的なロングランヒットとなっています。
『先祖になる』(2012年)は、東日本大震災で、息子を亡くした陸前高田市の佐藤直志さんが、自分の手で木を切りだし、元居た場所に自分の手で家を再建する様子を描いたドキュメントです。こちらも多く賞を受賞しています。
池谷薫監督の教育
教育にも携わり、2008年から2013年まで立教大学現代心理学部映像身体学科の特任教授を務め、卒業制作としてプロデュースした『ちづる』(2011年・赤崎正和監督)は全国規模の劇場公開を果たしています。
現在は、甲南女子大(神戸市東灘区)メディア表現学科の教授です。
池谷薫監督の著書
著書には、『蟻の兵隊 日本兵2600人 山西省残留の真相』(2007年・新潮社)、『人間を撮る ドキュメンタリーがうまれる瞬間』(2008年・平凡社・日本エッセイスト・クラブ賞受賞)などがあります。
人間を撮る 自分を見つめる
神戸では、阪神淡路大震災が、1995年1月17日に起きました。その時のショッキングな映像は、今でも覚えています。
この震災で、家が全壊し、一家5人のうち、14才の長女、百合さんを亡くされた中北富代さんが、元町プロダクションに参加します。ご主人の中北幸さんは、建築家だったので「百合ならどんな家に住みたいだろう」と思って、自ら設計し、元居た場所に家を再建しました。
中北さんは、池谷さんの映画「先祖になる」を見て、夫がどんな思いで家を作ったかを、記録したいと思うよになり、元町プロダクションに参加しました。
撮影が進む中で、ご主人は、「我々夫婦の生きざを、次の世代に残せれば」と。富代さんも、何のためにこの作品を作るのかを考え、あることに気付きました。
自分の思いは、亡くした娘にばかり行っていた。残された息子二人は、「子供を亡くした母親に育てられた」という状態であったと。
池谷監督は、「カメラがあるから、できることがある」といいます。カメラがあるから、向き合えないことにも、踏み込んでいけると。
また、カメラを通して母親と向き合おうとする娘が登場します。また、母親は、バイタリティーがあり、とてもたくましいのが、画面から炸裂しています。娘がそれに圧倒されて、もがいているのが、今回撮影している様子が伝わってきます。
途中迷いがあり、自信を失いながらも撮影を続け、「お母さんとの関係性が、この映画をつくることでどう変わっていくのか楽しみという感じがある」という境地に達します。
池谷監督が、「カメラがあるから、できることがある」と言っていることが、この二組の方のドキュメンタリーを通して伝わってきます