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前髪を金髪ウェーブにし、中世ヨーロッパの藍色の衣装を着たゆりか(真風涼帆)が登場。とっても素敵です。レオナルド・ダ・ビンチという、特別な芸術家の風情も漂います。心から満足できるコスプレです。まだ、若いまどかと幼馴染ということで、若い作りにしているのでしょうか?甘い美青年感があるのも、また良いです。
「異人たちのルネサンス」 中世ヨーロッパの衣装が素敵
まどか(星風まどか)は、髪をセンター分けにして、髪飾りをつけ、大人っぽい化粧をしています。こちらのドレスも豪華です。パンフレットにものっているちょっとくすんだオレンジ色の衣装が豪華だし、似合っていて、なかなか綺麗です。
キキちゃんは メディチ家の支配者 ロレンツォということで、赤に、金の大きな胸元飾りがある衣装を着ています。 髪は濃い色のロン毛。深みのある声が、権力者であることを感じさせます。でも、お金持ちなのに、あとは黒っぽい衣装にしか着替えません。 特に、事件のあとの快気祝いの時ぐらい、ドンと華やかな衣装があっても、いいのになー。物語的にも ロレンツォの強さが出ただろうに。経費節減でしょうか?
(以後ネタバレあり)
「異人たちのルネサンス」 スター以外の役は、娘役が目立つか?
中世のヨーロッパの雰囲気は、宝塚的だし、背の高い男役、ゆりか、キキちゃん、アイちゃんに大きな衣装は似合っていたし、こだわりの強い芸術家というレオナルドの役も、真風には 合っていて良かったと思います。
でも 、スター以外の中堅や、若手には、ほとんど役がなかった。その中で、レオナルドのまわりのまともな役は、娘役のジュリちゃん(天彩峰里)でした。レオナルドがかわいがる少年で、子供にやさしくすることで、心の孤独をいやす、みたいなよくある存在かと思っていたら、最後になって物語を左右する役割を担います。
あとから思うと、若手ではこれが一番いい役だったかと。ジュリちゃんは、声を低めに作って、大人にまどわされる少年をうまく演じていました。
あってもなくてもいいような、レオナルドと工房の仲間たちの集いの酒場の集いのシーンがあり、そこで、今回退団のかける君(風馬翔)と娘役2人が、店内のエンターテインメントとして踊っています。
はじめは、ダンスチームがセンターです。かける君が、いきいきキラキラ踊っているのは、良かったなと思えましたが、目がくぎづけになったのが、えびちゃん(綾瀬あきな)の腹筋です。
宝塚では、お腹を出す衣装の場合、お腹の部分を肌色の衣装にすることが多いですが、今回のベリーダンスでは、しっかり素肌を出しています。動きに合わせて、えびちゃんの6パックがいろんな形で浮き出てくるのです!!
レオナルドたちの話を聞きながら、オペラはえびちゃんの腹筋を追ってました。ダンサーと言われて長くやれる人は、これくらいになっているんですね。良い物を見せていただきました。
「異人たちのルネサンス」 まどかは単品だといいが
今回の物語は、男達の心をつかんでいる女性役は、まどかのカテリーナだけ。ゆりかも、キキちゃんもズンちゃん(桜木みなと)も、心を寄せている。愛ちゃんも、女としての魅力を利用している。
キキちゃん:「彫像のように美しい」
愛ちゃん :「私の天使」
ズンちゃん:「あなたが美しすぎるから」
さすがにこれは、荷が重いでしょう。その手の美貌なら、退団したうららの事を覚えている人も、まだ多いだろうし・・・。
まどかは、プロローグで白い衣装で踊っていた時とか、ドレスで登場した時とか、男役から切り離されている時は、かわいくもあり、大人っぽくなったように見えました。でも、ズンちゃん以外は大柄で大人っぽい男役達から愛されるには、やはり、こじんまりしている。だから、少女時代の夢白あやから、大人に成長してまどかになったとき、「アレッ」という違和感がありました。子供と大人が逆転したようで。
また、まどかカテリーナと、愛ちゃんグイド司教の関係がよくわからなかった。なんで、そんなに言うこと聞いてるの?大きな愛ちゃんが、小さなまどかを子供の時から、洗脳してきたような、危険な関係に見えました。
「異人たちのルネサンス」 最後のモナリザはいらない
ロレンツォ殺害未遂事件があり、カテリーナが犠牲となる。事件後消息を絶っていたレオナルドは、いつの間にか絵を完成しており、「最高に美しい女性」として絵をロレンツォに進呈します。大きなキャンバスが舞台には持ち込まれています。かけてある白い生地を下ろすと、遠くからも見える、大きな「モナリザ」の絵。
PCから画像を取ったのでしょうが、こんなに大きくして宝塚の舞台にのせると、全く美しくないです。茶色系の下膨れのおばちゃんで違和感すらある。美しい衣装を着ていたまどかのほうが、はるかに美しいです。モナリザは絶妙の微笑みの描き方とかに、神秘的な魅力があるのであって、きれいなお化粧、衣装の舞台にはあいません。それなのに、まわりは「おぉーっ!」とどよめいている。シラケます。
時代的にも、モナリザはもっと後だということなので、無理にこの最後にすることはなかったのでは?素描でいいから、レオナルドがカテリーナのいろんな表情を描き留めていて、それをまとめて渡すとかでよかったんじゃない?少なくとも、観客にわかる大きさで絵を出すことはなかった。だって、本物はもっと小さいもの。
レオナルド・ダ・ヴィンチのことは、天才芸術家だということは、みんな知っているんだから、本当にモナリザはいらないです。それよりも、あんなに愛していたはずのカテリーナが亡くなったことには、ケロリとしているんだね。その後、その面影で、モナリザを描いたんだと思わせるような締め方もあったのでは、と思います。
「異人たちのルネサンス」 フィナーレのショーが素敵
ちょっと思いつめた暗めの物語でしたが、しっかりとしたフィナーレがついていて、とてもよかったです。
ロケットは祭りの道化をイメージして、三角帽子が頭にのっています。オレンジ色のフリルのついたブルマーみたいなのが下からのぞく、チュチュのような開いたスカートをはいています。これが、黒と黄色の大きな縞で、とてもかわいい。
次の、真風と娘役さんたちとの場面が、真風のアダルトさを生かした場面になっています。
娘役は、皆ストレートロングの鬘に黒のシンプルなドレス(スリットが入っていてセクシー)。
皆無表情で踊っていて、とても色っぽいです。セイコのような上級生から、夢白ちゃんのような下級生まで、真風と、色気たっぷりにからみます。「自分が描く女たちに陶酔し、恍惚と踊るマエストロ(真風)」という設定で、まさにその通り。
次は、赤系の衣装を着た男役達が階段を降りてきます。先頭はキキちゃん。真風とぶつかり合うような振り付けがあり、新鮮です。
「女たちとの享楽に溺れたマエストロは、聖職者の男たちに裁かれ、果てる」ということ。
男役群舞も大人っぽく、カッコいい。かなり新鮮で、真風とキキちゃんのい魅力を引き出す、素敵なフィナーレです。
そして、「やがて現れたマドンナの加護により再生するマエストロ」ということで、デュエットダンスです。まどかは、怪我で初日から、ここは休演。舞台上では、怪我しているようには見えませんでしたが、それだけデュエットダンスには、リスクがあるということでしょう。
ここは、カテリーナの少女時代を演じた夢白ちゃんが踊ります。初めての恋の相手と思えば、芝居的にはつじつまがあいます。夢白ちゃんは、ロマノフの新公で観て、研1なのにしっかりしているし、うららとは違うけれども、まわりの男があこがれる美女感があって、期待している新人です。ちょっと痩せているのが心配ですが。大人っぽさがあるので、真風には合っていたし、きれいに踊っていました。
エトワールは、少年サライを演じたジュリちゃん。星組時代のエトワールを聞き、なんてきれいな声でうまいんだろうと感心していました。今回もエトワールということで、きれいな歌声を聞かせてくれました。が、初日のエトワールは、声が出なかったようですね。
初日を観た友人からは、「エトワールも代役か?さっき急に言われたの?てなくらいひどかった。実力ある子だから、かわいそうだな~と思いました。」とコメントがきました。重要な少年役でエネルギーを使ったのか、使う声が違うからか?考えれば、無理のある役割り分担ですね。でも、エトワールは、歌うまの娘役のための花形の役ですから、上手にバランスをとって乗り切って欲しいです。
宙組「異人たちのルネサンス」感想 まとめ
思ったより日本物のショーがよかったし、芝居の後についているフィナーレは、とてもよかった。「異人たち」は、衣装の美しさや、途中のダンスでしのげますが、澄輝君とか、若手の役がなんだかなで・・・。セイコの高貴な女性(ロレンツォの妻)は、相変わらずよかった。最後にロレント弟のジュリアーノ(ズンちゃん)をひっぱたいたりしてね。ズンちゃんは、また殺される弟なんだね。前回よりは、存在の意味があったけれども。
真風が星組時代は、ネネちゃんがトップ娘役だったので、全体に豪華で大人っぽかった。今トップとなり、娘役に大人っぽさがあれば、もっと魅力が出るのにとも思います。宙組で大人っぽいのはセイコぐらいか?これは、本当に大人だし。副組長の美風さんですら童顔ですからね。まどか、遥羽らら、ジュリちゃん、みんなかわいい、幼い系ですね。フィナーレみたいな、ホスト系の魅力をしっかり出してもらえれば、嬉しいのですが。難しいところですね。