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東京での観劇は、新人公演を観たおとといの26日が初めて。宝塚の新人公演から、成長しているのをはっきりと感じました。主演の瑠風輝が「真風さんには本当にお世話になり・・」と涙ぐんでいたので、「本公演も、より深くなっているはず、どのように進化しているんだろう。」と期待。それに、席が2階1列のセンターブロックと、全体がよく見えて、近さもある良席。通常A席(しか手にはいらない)で観ているので、2階の入り口から入って、席に向かって階段を降りていくのも嬉しい。「近ーーーい!」
宙組「神々の土地」東京公演 二人の秘めた想いがビンビンくる
すでに、自分がこの物語をよく理解しているのもあるかとは思いますが、ドミトリー(朝夏まなと)とイリナ(伶美うらら)の心に秘めた想いが、最初からググッと感じられ、ロシアの雪景色からくるどっしりとした重さを感じることができました。自分が心から愛する人だから「自分の生きたいように生きる」ということをお互い尊重する二人。
大金持ちの貴族フェリックス家のジナイーダ(純也ちとせ)には突き抜けた華やかさがあり、その息子、真風涼帆のフェリックスも遊び人風で飄々としており、親子であるのが納得できる。フェリックスの「ママが」というのが、この親子の、他とは違うお耽美さを感じさせて、色っぽく、とてもいいです。
エルミタージュ宮殿の中の大階段でのドミトリーの近衛騎兵隊任官式。今回の席だと本当にカッコイ💛また、寿つかさのマリア太閤と、凛城キラのアレクサンドラ皇后がセンターで顔を合わせて会話をかわすシーンの迫力ったら!! お互いの憎悪を押し殺している感じがにじみ出て、バシバシ感がすごい。
凛城キラのアレクサンドラは、相変わらずの美しさ。ニコライ二世が一目ぼれしたことに説得力がある。愁いを秘め、そして、特別な女性である存在感があり、でも、不幸である苦しさがにじみ出ている。彼女なりに孤独に耐え、必死で生きていて、その結果ラスプーチンに依存していしまっている。ただの頑なな人なのではなく、悲しい存在として同情できるものがある。新人公演を観ると、こういう感じを出すのがどれだけ難しいことで、物語の厚みに関係しているかよくわかります。(注:新人公演の悪口ではありません)
宙組「神々の土地」東京公演 気持ち悪さが増してシビレル!!
そして、期待の愛月ひかるのラスプーチがオケボックスから銀橋に登場!
宝塚で観た時は、あまりの気持ちの悪さに驚いたけれど、コワい物みたさというか、ドキドキして待つ、もはや快感!!期待を裏切らない登場感!おつきの白い服を着た二人の気持ち悪さにも磨きがかかっていて、なお良い。二人とも歌うまだし。
愛ちゃんのラスプーチンには明るさがある。ネチッとしてない。だから嫌がらせをしているとか、悪いことをしているという感じがない。本人的には悪いのは、貴族側なのだから、当然と言えば当然のこと。だから、本当に怖くて、どうしようもなく運命が引き寄せたものとも思える。
ガッチナ宮殿のマリア皇太后のサロンでの密談。なぜ、ラスプーチンを殺さなければいけないか、ニコライ二世を廃さなければいけないか。ドミトリーの「あなたは自分の息子の代わりに他のものを皇位につかせるのか、それでいいのか」という問いに「ロシアのためなら仕方ない」というマリア皇太后。迫力ある場面でした。
そしてクライマックスのラスプーチン暗殺のシーン。ここでの大階段の使い方がすばらしい。階段を上っていくアレクサンドラのドレスの裾を持ってついていくラスプーチン。その背中に向けて銀橋から銃を撃つドミトリー。撃たれた瞬間、ラスプーチンがアレクサンドラの裾をパッと放り投げる、それで白いドレスの裾が赤い階段に広がる。新人公演の時に、このシーンがなんかもの足りなかったのは、この裾が広がりきってなかったのだなと気づいた。この大変なシーンで、うまくできなくても仕方ないことです。
宝塚で初めて観た時から、惹きこまれていましたが、東京公演で「ロマノフの名を捨てたりはしない」という思いとか、国をどうにかしようというそれぞれの思いが深く伝わってきました。深める価値のある作品。上田久美子先生、これからも良い作品を生み出してください。