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大空ゆうひ『グッド・バイ』感想 突き抜けた美女と、いとおしい少年

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「JR中野駅に劇場なんかがあったんだ」と驚いたのが、大空ゆうひがW主演するという『グッド・バイ』の公演情報。『ザ・ポケット』という小さな劇場が、南口の丸井の裏の方にある。太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」の世界を通して、太宰の誕生から自殺までを描くという。

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脚本・演出は「悪い芝居」という不思議な名前の山崎彬、もう一名の主演が池下重大(じゅうだい)と、知らない人ばかり。

中野は近所なので、気が向いたら行こうかなと思っていたら、「大空はヒロインの永井キヌ子と津島修治の2役を担当。」という発表があり、メインビジュアルも超素敵!!速攻で、ゆうひ君のアフタートークショーがある公演を申し込みました。

大空ゆうひ『グッド・バイ』感想 突き抜けた女ぶりに驚く

太宰治は、学生時代に「人間失格」と「斜陽」を読み、とても好きだったことを覚えている。でも、「グッド・バイ」が遺作であることも、内容も知りませんでした。チラシから、「永井キヌ子」は、とってもかっこいい女なんだろうと、ワクワク。ゆうひ君ならではの、退廃的な美しさにドキッとします。

『ザ・ポケット』は150人ぐらいかの小さい劇場です。こんな風な所は初めて。

芝居の始まりは、太宰治の池下重大が、机に向かって原稿を書いている後ろ姿から。妻とのやりとりの後、池下がはけて、しばらくすると、劇場の急な階段の上から、真っ赤なドレスのゆうひ君と二人がしゃべりながら降りてくる。パンフレットと同じ華やかな衣装に、傘をさしている。この小さな劇場では、違和感があるとも言えるゴージャスな美しさに「オーッ」となり、あっけらかんとした話しぶりも、新鮮です。

帰りに小説「グッド・バイ」を買って読んだので、ここからは小説に添った内容になっていたのがわかりました。池下は田島周二になっています。妻がありながら複数の女と付き合い、別れるのに、綺麗な女を妻だといい、あきらめさせるという策をめぐらします。永井キヌ子は「バッカジャナーイ!」と言いながら協力することにするのだけれども、大食いで、お金にはシビア。

華やかな衣装を着たゆうひ君は、舞台上でガツガツ食べる。驚きました!まずは焼き鳥にかぶりつき、それから、ぬるっと後を引く山芋のようなものをすする。お茶碗を持ってご飯も食べ、最後はお箸でコロッケをブスっとさしてパクリ。いやー、なんだかドキドキしました。こういう小さな小屋の芝居では、こんなこともありなんだと。ゆうひ君は口が大きいから、焼き鳥もキレイに食べられるんだなとも。

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田島の愛人の一人の美容師に対して、作戦を実行。妻の役割のキヌ子の髪をいじらせ、手切れ金のお金を渡しうまくいったのですが、キヌ子がその後ブチ切れる。「手が震えて、美容師としてのプライドがない!」と。そのブチ切れ方が凄く、なんか、突き抜けてて気持ちいいです。想像を超えたゆうひ君です。

次のシーンは、キヌ子の部屋。キヌ子も髪をおろし、青いアイシャドウの濃いメイクをし、長く裂いた布を色々はいだような不思議な衣装を着ている。これは、小説を読むと、ズタボロのひどい恰好のようです。田島のケチな駆け引きを見抜き、その怪力でバッコーーーンと田島の頬をひっぱたくキヌ子。よろける田島。痛快です!!

部屋の押し入れを開けると、そこから太宰の本名、津島周二にかかわったと思われる女が3人できて、不幸な生い立ちを感じさせる言葉を発する。その間に、キヌ子は舞台上で着替え、黒のシャツとジャージのようなパンツになる。この時、背中を露出するのですが、ゆうひ君の肩幅は広く、背中に女っ気はゼロ。改めて確認です。

舞台の真ん中に座り、苦しそうな表情で、クレンジングクリームで化粧を落としていく、これが一幕ラスト。あんなにはじけていたキヌ子が、急に、重く苦悩に満ちた男に変わっていく。髪も長く、宝塚的な作りこみはなくても、ゆうひ君のその持ち味が、これを可能にしている。

大空ゆうひ『グッド・バイ』感想 いとおしい少年

二幕のゆうひ君は、太宰の本名、島津周二としての役になります。自由奔放な母親に捨てられ、女中に託される。その女中からも捨てられ、さらに次の女中に託される。大人のゆうひ君が小さな子供になり、面倒をみてくれていた女中が出ていくという時の「なんで!!」と叫ぶ。その一瞬の姿は、宝塚で観た「ヴァレンチノ」のルディのようで、ドキッとします。

ここからは、池下演じる太宰治と、ゆうひ君演じる本名の島津周二が出てきます。池下太宰が、妻の美知子と愛人2名(1名が妊娠している)との宴会をし、その翌日、まだ酔っぱらっているようなゆうひ君島津は、妻である美知子におもいっきり甘え、苦しい本心を吐露していきます。ここはピュアな少年そのものであり、でも動きはカラスの真似をしたりでおかしさもあり、いとしくて、ギュッとしたくなります。

この感じは、宝塚時代の祐飛君の持ち味で、作られたものではなく、本人に備わっている魅力なんだなというのを改めて確認。黒いシャツを着て、膝を立てて机に向かって原稿を書いている背中は、髪が長くても男を感じさせるけれども、正面向いた笑顔は、なんともかわいくて、少年を越え、小動物のよう。でも、すぐに苦悩の表情にも変わる。さらに長い手足、と綺麗な手先で常にエレガントさは失わない。性を超越した存在です。

この芝居は、ゆうひ君の二役があってこそで、どうやって、この芝居にキャスティングされたのかが不思議。ゆうひ君が「悪い芝居」という奇妙な名前の劇団との付き合いがあるとも思えないし。なお、この名称の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』とのこと。そういうことだったんだ、とは思いますが、世の中に反発している感じで、もっと難しい芝居になるのかと思っていました。

大空ゆうひ『グッド・バイ』感想 まとめ

アフタートークでも、ゆうひ君は、「からすの所とか、こんなに何も決まっていなくてやったことはなく、毎日が新鮮」と。そこに魅力が炸裂していますから。永井キヌ子も、今まで観たこともない、はじけたゆうひ君ですし、退団後初めての男役でもあります。7月1日の千秋楽以外は、まだチケットがあります。観劇前には、「グッド・バイ」を読んでくださいね。短いからすぐ読めます。その方が楽しめますから。これからしばらく太宰を読んでみたいと思います。

植田景子先生の傑作であり、月組の大空祐飛の初期の代表作ともなった『THE LAST PARTY フィッツジェラルド最後の一日 』が、月城かなと主演で月組で再々演することに。正統派の美形であり、芝居心のあるかなと君なら、納得の演目です。
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