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驚くべき、音楽の効果、可能性がわかりました。また、脳というものの奥深さに、感動しました。
番組冒頭では、アメリカでの銃乱射事件で頭部を撃たれ、奇跡的に命をとりとめた下院議員のギフォーズさんの姿が映ります。痛ましいです。1ケ後の月の姿では、何を見ても「スプーン」としか言えません。失語症になってしまったのです。
音楽で脳に働きかけ、失語症回復
ほとんどの人は、言葉を話すために必要な部分が、左脳にあります。ギフォーズさんはこの部分に銃弾を受け、失語症になってしまったのです。
様々なリハビリを受けますが、その中で目を見はる効果をもたらしたのが、音楽の要素を取り入た訓練でした。
これは、1970年代にアメリカで取り入れられたリハビリ方法で、話し言葉を、音楽の節回しをつけて発声するというものです。
ギフォーズさんは、この療法で回復し、2年後には、銃の規制についての公聴会に出席します。赤い華やかなスーツを着て、堂々とスピーチをしました。音楽の力のなせる業なのです!よかったです。
音楽の脳への影響を解明
脳と音楽の関係を研究し、失語症の訓練もしている、三重大学医学部准教授の佐藤正之先生が登場します。
「脳をつくっている神経細胞は、赤ちゃんで生まれた時が一番多くて、その後減っていき、増えることはありません。だから、そこがこわれると、戻りません。」というショックな話の後に、
「でも、脳は失われた部分があっても、訓練によっては他の部分が補完するようなり、そうすると、話せるようになります。」と。
多くの人が、左脳にしゃべる能力があり、歌ったり、演奏したりでは、右脳が活躍します。だから、音楽的要素の訓練を行うことで、右脳にバイパスができて、ことばを取り戻すことができるのです。この方法は「メロディックイントネーションセラピー」という名前がついています。
音楽で失語症を回復する方法
言語聴覚士が訓練を行います。
①患者の左手を握り、上下に動かします。左手は右脳につながっています。
②患者にハミングをさせます。右脳が活性化します。
③右脳が活性化した状態で、音に合わせて単語を話します。本来、左脳が担う「言葉を話す」という行為を同時に行います。
「音楽に合わせて言葉を話させる」という訓練を繰り返し行うことで、左脳が担う働きを、右脳に肩代わりさせるのです。
この訓練は、急性期だけでなく、慢性期でも効果は期待できます。
音楽と運動とで高齢者の脳が活性化
この音楽の効果を知って、佐藤先生は、高齢者に対して三重県で大規模調査をします。
対象者は65才以上で、3つのグループに分けます。
週に1度行う体操教室で効果を確かめます。
A.音楽を聴きながら運動をした 54人
B. 音楽なしで運動をした 65人
C. 体操に参加しない 35人
1年間継続し、認知機能や、脳の大きさに差が出るのかを調査。
その後、図形模写のテスト等での認知機能テストを行ったところ、Bグループでは、3.6%、Aグループでは 8.2%の能力がアップしました。
さらに、脳の容積を調べても、Aグループの方が大きくなっていました。
脳の神経細胞は、一定の年齢を超えると増えないのが常識なので、音楽の効果で、別の神経伝達の細胞が増えた可能性がある、ということです。
音楽で認知機能を上げるためには、聞くだけではだめで、適度な運動が必要とのこと。
高齢になったら、静寂の中のヨガよりも、フラダンスのほうがいいですね!!
音楽と脳の関係を脳波から研究
音楽と脳の関係はまだまだわからないことが多く、人工知能AIを使って、人間の感性を解明しようとしている大阪大学COI研究推進機構 沼尾正行教授が登場します。
パネルは3名。頭に脳波系をつけ、ジャンルの違う5つの音楽を聴き、脳波の感じ方をAIに抽出させます。そして、脳が心地よく感じる音楽をAIが作曲します。
パネルが好きだと言っているという曲種とは、全く違う曲に出来上がっていました。でも、パネルには高評価です。
この研究から、「好きな音楽」と「脳が心地よい音楽」とは違うという結論になっているとのこと。私は、この結果にはちょっと疑問です。だって初めに聞かせる音楽のセレクトに根拠がないもの。
司会の小島瑠璃子さんも、前もってテストを受けていて、番組でAI作曲の曲を聴きますが、笑ってました。眠いと言ってましたが、だれが効いても眠くなるような曲でした。
脳波から作るAI音楽の可能性
失語症の訓練を行っている佐藤先生は、訓練に使う音楽は、自分達の主観で選んでいるので、患者に合わせてAIで作曲ができればいいのでは、という意見でした。
沼尾先生は、医学部と組んで、どんな音楽で感情をうごかされるのか、脳を活性化させ、医学にも応用できるのかをAIを使って研究しています。
高齢化社会の日本では、いかに健康でいられるかが大切です。音楽と脳には深い関係があることがわかりましたので、家事をするにも、音楽を聴きながら、また、楽器を習っているので、これも続けるべきだと思いました。嗜好だけでなく、脳の活性化に役立つのですから。