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東京月組「BADDY」 グラサンにタバコ、被り物、怒りのダンス

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関西在住の友人は、これを宝塚の初日に観て「春休みお子様ショー(-_-;)という風情で、最後までいきました」、「まゆぽんが頭に触覚生やして、銀色の顔色で耳とがった宇宙人で・・・ずっとそのカッコ。地味にツボでした」とも。「宝塚初の友人に、前回の花組(ポーの一族)を観せたのは正解だった」とか。

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友人の初日評は、いいとか悪いとかよりも、まずは驚きが強いようでした。上田久美子先生の作品は、「こんなに深い感動を、宝塚で与えてもらえるのか!!」という驚きに満ち、また、舞台もとても美しい。その先生が、今までのショーの常識を破っての作品なので、「つまらない」ということでなくて、まずはよかったなと。

東京月組「BADDY」感想  グラサンにタバコのタマキチがかっこいい

「タマキチがグラサンにくわえタバコで出てきたり、悪党チームはみんなくわえタバコ」と聞いていましたが、これがなかなかかっこいい。

二枚目のかなと君やらアリチャンが、赤い被り物してたり、組長の頭の上に地球儀が乗ってて、お辞儀するときに抑えてて、本当にビックリ!!!!でも、観たことないものだらけのようで、東京公演への期待が高まります

そして、先日、やっと東京での観劇。1部の「カンパニー」では、きれいなバレエシーンもあり、ショーでヒラヒラしたのなくても大丈夫だなと心を整えて、「さあ、これからっっ!!」と待ちます。

幕開きの王女様一家がふりふりの衣装で出てきて、そうしているうちに、宇宙船が降りてくる。このあたりが、見ようによっては、お子様ショー的かなと。でも、ぶかぶかの宇宙服を破って出てきたバッディのタマキチは、サングラス姿もくわえタバコもとっても似合う!!!「ハハッハ」という高笑いも、声に奥行があり、いい!!がっしりと男らしいので、ハツラツとした健康的な悪党という感じ。

悪党チームのダンスの中心にトシ(宇月颯)がいて、たっぷりとそのかっこいいダンスを見られるのも嬉しい。こちらは、ちょっとニヒルな悪党でアニキって感じ。そこに、ローズのスーツに金髪を後ろでゆるりと結んだみやちゃんも加わるのですから、とにかく、誰を観ていいのかわからない魅力が満載で、「イイじゃな~い♡」とワクワクします。

チャピのグッディも、かっこよくてカワイイ。なんといっても、力強い脚でビシッと踏みしめていて、迫力があります。かなと君のポッキーは、美形を隠す水色メガネで、おとぼけキャラ。1幕から続き、ちょっとここはもったいないかなと。ストーリーとしてはありなんですけどね。

東京月組「BADDY」 被り物のはさみに笑える

席のせいか、頭が忙しいせいか、多少セリフが聞き取りにくく、ここに至るストーリーがちょっとわかりにくかったのですが、かなと君やグッディーチームが赤い海老のような被り物をしている。手先は、蟹のはさみのよう(パンフ見て、オマール海老とわかりましたが)。1人は、レモン持った牡蠣のよう。

この被り物も、エレガントな衣装をデザインをされている有村淳先生が考えられたんでしょうか?今回のショーは、裏方の人のドキュメントドラマも見たくなります。「ほんとに、コンナノ被るの?」とか思わなかったかな?

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このあとの展開で、嫉妬したかなと君のポッキーが、銀橋まで追っかけて行き、手の被り物のはさみで、グッディがバッディにかけた手錠をチョキンと切ってしまう。笑いが起きました。嫉妬の心がありありで。

このあと、悪党チームにとらわれたポッキーが、みやちゃんのスイートハートに仕込まれていくのですが、みやちゃんの男性でもない、女性でもない、妖しい魅力が炸裂です。そして、かなと君はパスポートを偽造する悪い奴になっていく。おとぼけだったポッキーが、前向きになっているのに、ちょっと驚き、なんだかおかしい。

東京月組「BADDY」 怒りのラインダンスのチャピがステキ

その後、バッディに地球予算を盗まれ、王子たちを奪われ、チャピ、グッディの怒りが爆発します。そして、宝塚初の怒りのラインダンスへと。これが、これが、これが!!とてもいいのです。チャピは初めから足を出した衣装が多いのですが、顔の極小に比較すると、足は割と太い。でも、それは、強いステップを踏む、オリンピック選手のような筋肉がつまっている足であって、ひょろりとした足より、うーーーと魅力的です。今回は、チャピのダンスパワーの秘密をのぞき見しているような気持ちにもなります。

ラインダンスは、その足がバッチリ見えるわけですね!エネルギッシュでスピーディなダンスで、ぎっしり筋肉のつまった太ももからも、ふくらはぎからも、オーラがバンバン振りまかれる。迫力が凄くて、脳の奥で何かがパーンとはじける感じでした。強さに対する、本能の絶対的あこがれ、とでも言うような・・・。これを観るために、立ち見でもいいから、もっと観劇しようと思いました。退団公演の「エリザベート」では、チャピの足を見る事はできないでしょうから。

東京月組「BADDY」感想 まとめ

賛否両論が分かれるのは、当然ですね。東京公演では、ある程度の情報があり、作品としても成熟しているから、楽しめたという要素もあると思います。1時間の間、イケイケ、責め責めだったので、どこかにちょっとゆる~い所があったら、見る方も一息つけて、なおよかったかなと。

男役と対等な力を持つチャピがあっての、このチャレンジ。上田先生も、パンフレットで「一度一緒に仕事してたいと切望していた」というチャピ。タマキチもみやちゃんも、その他の男役も、それぞれの魅力が生かされてこの作品が成り立っていますが、娘役でこれだけのパワーとキュートさを持つ人はなかなかでない。

娘役の力量があれば、男役を魅力的にできる作品の幅が広がる。劇団には、娘役を大切に育てることも忘れないで欲しいです。

次回の観劇では、話題の宇宙人、マユポンを追ってみたいと思います。

初見の時は、月城君のポッキーが、かっこよさを水色メガネであえてこわして、ちょっともったいないなと思いました。美形として刷り込まれているのでね。でも、2回目観劇から、なんだかおかしさがまし、3回目では、ワクワクして探すようになりました。
「カンパニー」は日経新聞の書評に載っていて、印象に残っていました。月組で上演が決まりすぐに本を買って読み、期待が膨らみました。タマキチのサラリーマンは自然に男らしく、華やかなバレエダンサー高野がぴったりのみやちゃんと、バランスがいい。
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