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スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」 遂にエースの救出へ
劇場が1つになった興奮の後、三幕では、ルディの兄貴分エース救出の戦いが始まりです。
エースは平岳大で、苦悩を秘めた表情に、なんとも言えない影があり、さらにスッと背が高く、赤い衣装もよく似合い、とにかくすてきなのです。
火拳のわざを封印するためということで、両手を十字につながれているのですが、その危険な姿にも、色気がにじみ出ています。とらわれの身ゆえの、顔の汚れ具合もいい!
エースは、世界最大の悪人ゴールド・ロジャーの隠し子ということで、それが、彼の持つ影の一つになっている(ように見えました)。
おやじと慕われる白ひげ海賊団団長
エース救出にあたり、市川右團次が演じる白ひげという海賊団の船長が登場します。
初演の時は、登場感がすごくて!!白い鎧と陣羽織をつけた武者姿。頭は黒っぽい手ぬぐい?でしばり、白いりっぱな口髭が反り返っている。どっしりとした体形で、顔の大きさもある(ホメテます)右團次だからこそ似合っている。貫禄があり、神々しいまでに美しい!
ちなみに、反り返った口ひげは、歌舞伎の朝比奈という、おかしみのある役の髭から考えたとのこと。
エースとルフィを含む海賊団員すべてを息子と呼び、仲間は決して裏切らないということで、皆からおやじと慕われています。海賊というアウトローの中で、任侠の世界が描かれていて、それが似合う。戦いの中で、白い鎧に血の赤がつくのも、壮絶なまでに美しい。最後には亡くなるのですが、息子たちを思ういいセリフを残します。
2年前に観た時は、今までみた右團次の歌舞伎の、どの役よりもいい!と思いました。
市川右團次ブログより
https://ameblo.jp/udanji-ukon/image-12319325400-14048215480.html
冷凍されるルフィ、エースの火拳で救出
戦いの中で、とても派手なシーンがあります。遊園地の空中ブランコのように、下手舞台から客席前方の上まで宙乗りでグーンと周りながら、吹雪を起こして、ルフィを吹き飛ばし、氷の中に閉じ込めるのです。舞い散る紙吹雪もすごくて、迫力満点!舞台を見ると、固まった氷の壁の上の中に、大の字になった小さな(遠いから)ルフィが。笑いが出る。
それを、エースの火拳で炎を溶かし、助けるのです。氷がミシミシと解けていき、ルフィの画像がズルズルと下がってきて、最後は穴から出てきてぐったり。
いろいろやってくれます。
スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」 迫力満点の火とマグマの戦い
ルフィは、エースを鎖から解き放ち、仲間と共にその場を去ろうとするのですが、敵の海軍大将赤犬に、白ひげの悪口を言われ、ブチ切れたエースは、戻ってしまいます。ここから、赤犬のマグマと、エースの火拳の戦いが繰り広げられます。
エースは、火を表わす大きな旗を振り回し、マグマの赤い衣装を着た人間が飛び交います。旗を振るのも大変でしょうが、マグマのキレのある動きで迫力満点の場面になっています。
この方たちは6名いて、超一流のアクション専門の人たちです。海軍の兵士や、監獄所員の目立つ動きの人や、二幕最後にバク転で花道を引っ込む人もこの方たちです。さすがの動きで、舞台が引き締まります。
しかし、この戦いにエースは破れてしまうのです。
白ひげとエースの墓を建て、祈りをささげた後は、ルフィは女人が島で、むなしい時を過ごしています。
ここでも、ルディを励ますハンコックとの早変わり場面があります。ハンコックが正面を向いて芝居をしている時に、代役のルディが、落ち込んで後ろを向いています。そのうち周りの女性が着ているのと同じフード付きマントをまといます。ハンコックは引っ込みます。しばらくして生きる力を取り戻したルフィが右近に入れ替わっているのです!
私の席は2階サイドの舞台近くで、斜め後ろから代役ルフィがずっと見えていたのに、どうやって変わったのか全くわかりませんでした!そこで客席からも驚きの「オーッ!」というざわめきが。
とことんやってくれます。
スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」 チョッパーとサディちゃん
今回、白ひげの息子の市川右近がチョッパーで出演しています。初演の時は、「しゃべるトナカイ」ということで、意味不明の存在の代表が、このチョッパーでしたが。
ルディが毒ガスでやられているところに、花道から登場して、一生懸命声をかけ、助けようとします。右近は顔がかわいいだけでなく、声がとてもいい。演技のセンスもいいので、将来楽しみな子役なのです。
「ルディ、死んじゃダメだよ」という透明感のある声が、劇場に響き、ジーンときました。とにかく、かわいい右近ちゃん💛
また、初演の時はなくて、再演の大阪で追加されたのが、右近が演じたサディちゃんです。右近がルディになったので、坂東新悟が演じています。
これがスラリとした八頭身で、ピンクのピタピタの衣装も、クルクルカールのロン毛の金髪もとても似合っているのです。「攻めるのが好き」というSキャラが色っぽくはまっていて、ムチでピシャピシャやるのも、様になっている。
実は歌舞伎の女形で観る時は、背は高いし、ガリッとしてるのに、なんで女形をするのかな、立役をすればいいのにと思っていましたが、演技のセンスは女性向きなのですね。
スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」 どんどん成長することに期待!
今回、猿之助の事故という残念なことはありましたが、作品は練り上げられ、楽しさは増しています。初演からの感動がさらに高まりました。
猿之助バーションと右近バーションのチケットを買っているので、同じメンバーのものを2回観ることになりましたが、このチームがどのように成長しているかに興味が湧き、とても楽しみにしています。
これから大阪、名古屋と再演していくので、機会があれば観たいと思います。その時に、シャンクスで、猿之助が出られたらとは思いますが、絶対に無理はしないで欲しいです。
ワンピースは、歌舞伎の技術や演出などを生かしながら、現代劇の役者やアクロバットの人など、いろいろな力があって生み出された舞台です。多くの方に観てもらいたいです。