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「ナルト」の漫画は全く知りませもん。が、「ワンピース」も知らないで楽しめたし、若手の巳之助と隼人のダブル主演ということで、これは観なくてはと。毎月歌舞伎を観るので、席は3階ですが、新橋演舞場は歌舞伎座より狭く、3階席が少ないので、土日はチケット取れず、平日の今日の観劇、満席でした。
「ナルト」歌舞伎感想 わかりやすい導入
オープニングは、太棹三味線と太夫さんの浄瑠璃から。上手の空中というか、音楽担当の場所にぽっかりと浮かびあがります。この音楽と照明は、怪しさを表現するのにぴったり。驚いたことに、下手に縦に大きな字幕が出るのです。わかりやすくていいです。
「ナルト」は忍者の物語で、始まりは、九尾の妖怪狐を、赤ちゃんナルトの中に封印するというのだな、というのがわかりました。出だしがわからないとついていけなくなりますから、よかった。
巳之助のナルトは落ちこぼれ忍者ということ。かっこいい隼人のサスケと、歌舞伎の白塗りではなく、普通の女子メイクでもかわいい梅丸のサクラの3人組がいい感じです。
3人の先生のできる忍者、はたけカカシは、歌舞伎役者でない嘉島典俊。黒いマスクをしているけれども、滑舌良く、動きもできて、忍者っぽい。最初は、ナルトが未熟だけども、やる気のあるやつであることが描かれています。
「ナルト」歌舞伎感想 驚きの笑三郎「大蛇丸(オロチまる)」
本来女形の笑三郎。うまい人だとはわかっていましたが、今回の役作りに驚きました。もともと背も高いし、鼻も高い。こういう人が真っ白い顔に黒髪、青い化粧をすると、凄みが出るんですね。
女形の時の声とは違い、掠れたような声なので、日程も後半で喉を傷めているのかなと思っていたら、二役目でナルトの母として出てくる時(この落差にもかなり驚きましたが)、いつもの女形の声だったので、役作りだったんだなと。パンフ読んでみると、「声もアニメに近づけるつもりです。」とある。「ナルト」ってアニメもあるんですね。
前半は、この大蛇丸(オロチまる)の「悪の華」っぷりが凄いです。三代目火影の猿飛ヒルゼン(市川猿四郎)を殺す代わりに、両腕を封印されて、ベッドに横たわり、痛みにうめいているところ。白い包帯と手袋しているところ。語尾をねっとりと引く中性的な言葉使いとともに、なんとも妖しく毒々しく、歌舞伎の悪の美しさが全開です!!
「ナルト」歌舞伎感想 美しくカッコイイ笑也「綱手(ツナデ)」
ハッとする美しさで登場したのが、笑也の綱手です。最初、斜め後ろ姿で見えたのですが、白っぽい金髪のような髪と、首から肩の線がエレガントで美しい。気配が姫役者なのですね。
この衣装の綱手は、本当に美しかった。このために、もう一度観たいぐらい。
綱手のおもしろいところは、しっとりとした情緒を持ちながら、力持ちで強いところ。たおやかな雰囲気の人が、突然男声になって、ガシッと石垣を壊すから、おもしろい。
国立研修生から抜擢されて、今の猿翁の相手役をしていたころから思うと、本当に成長したなと感慨深い。積み重ねた努力、経験があってのことでしょうが、持って生まれた美しさというのは、年を重ねても絶対的なもの。これからも、新たな魅力をみせてくれそうで、嬉しくなりました。
舞台写真が欲しかったのですが、一人写りのいいのは、売り切れでした。やっぱりね。この美しさは、原作ファンの人にも伝わるのでしょう。で、梅丸のサクラと一緒のを買いました。
これもかなりお得です。他にも、自来也と一杯やっているところがあるのですが、それも欲しかった。情の濃さと、美しさと気品があり、笑いも取れる。本当に素敵でした。
「ナルト」歌舞伎感想 安定の親分猿弥「自来也(ジライヤ)」
今回は、歌舞伎としての演出助手としてもかかわっているという。そうでしょう、そうでしょう。この人なら安心ですよね。大きな太い声、でっぷりとしているのに、キリッと動ける身体能力。プックリした頬の大きな顔。そして、なんといっても愛嬌がある。この人が出るなら観ようかなと思わせてくれる役者です。
目の下の赤いメイクは、漫画から来ているのですね。漫画よりかわいい。赤い下駄もいいですね。
親分感が満載なので、ナルトを弟子にするという流れに説得力がある。サスケ(隼人)に真実を告げるため、最後に自分の命を犠牲にして、三代目をよみがえらせ、静かに倒れていくときには、思いっきり拍手をしました。熱くさせてくれる役者です。
「ナルト」歌舞伎感想 まとめ
敵役である「うちはマダラ」は猿之助でした。同時に歌舞伎座の二部、3時からの公演「弥次喜多」に出ているんですよね。だから、夜の部のみ。猿之助は、それはそれは、すごい悪オーラです。
真っ白い顔に、青いシャドーで目、吊り上げているし。セリフの巻き込む力が半端ない!!本当に、大怪我から復活できてよかった。
若手の2人の主演は、立ち回りが多く、よく体が動きます。忍者の子分たちも外部の人で、動きが歌舞伎のタテとは違う。これ観るだけでも、スカッとします。でも、芝居に味をつけているのは、猿之助チームのベテラン達。若手を主演におくことで、スター猿之助に加え、ベテランたちの魅力が開花しています。なんと贅沢な公演なのでしょう。
最後にナルトとサスケは本水の中で一騎打ちをします。これも見応えがあります。新橋演舞場では、千秋楽が近く、チケットも1等席しか残っていませんが、原作を知らない歌舞伎ファンでも十分楽しめます。時間があれば、観るのをおすすめします。南座でも来年の6月に上演が決定しました。関西圏の方もお楽しみに!!