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「歌えるって、すごいことだな。」
今回、このことをしみじみ感じました。歌えるトップ、そして、演技力もあるトップだから、トップスターが一見地味な役であっても、心にしみいる物語になりました。
昨日の前楽が2回目の観劇で、美しい主題歌や、ダイモン(望海風斗)が演じた吉村の暖かさが、じんわりと心に広がってきます。
「壬生義士伝」斎藤一のアーサにビックリ
前もっての情報収集はしていなかったので、幕開けが洋装でちょっとビックリ。
さらに、ビックリしたのが、斎藤一のアーサ(朝美絢)!!
洋装の警官としての登場ですが、鋭い眼光に妖しい影があり、なんとも美しい。黒髪、黒い制服で刀を抜く姿は、カッコイイ!!そして、吉村を嫌いだという時の、ひねた表情。私が今まで知っていたアーサとは、全く違いました。
ヅカ友からは、「ロベスピエール」」のサン・ジュストが、怜悧でコワイ程美しかった、とは聞いていましたが、私は観ていないので、「これか!!」と。
先日のFNS歌謡祭(これも見逃した(-_-;))でも、「黒髪の人は誰!」ということで、SNSをにぎわしたという威力が、よくわかりました。黒くすること(外見だけでなく、内面も)、はっきりとした顔立ちの美貌というだけでなく、クールな威力が恐ろしいほどのパワーを発揮するのですね。
浅黄色のダンダラ羽織を着た新選組の隊員になってからも、屈折した魅力がどんどでてきます。また、沖田総司のヒトコ(永久輝せあ)と仲良しで、キャラの対比もいい。ヒトコが、くったくない明るい声で「はじめ君」と呼びかける。アーサは抑えた声で「総司!」と呼び捨て。この二人の関係にかなり萌えを感じました。
「壬生義士伝」の新選組像は新しい
「人の集まりには、どこでもこういう好き嫌いのグループができるのだな」「会社みたい」というのが、今回の新選組でまず感じたこと。
斎藤一は、新たに入隊した吉村を「田舎臭くて嫌い」→「斬ってやる」として、本当に斬りつけるし、斎藤や沖田の仲良しグループは、介錯の失敗をした谷への処分が甘いと、暗殺を計画する。その言い出しっぺが沖田総司。「斬っちゃいましょうか~」と明るく言う。原作もこうなっているのでしょうか?悲劇のヒーロー的沖田ではなく、驚くけれども、意外な展開がおもしろい。
「私闘は禁じられている」というのに、本当に、斎藤が谷を暗殺してしまう。それを知った吉村に口止め料として二十両をゆすられ、沖田たち仲間3人から割り勘ということで五両ずつ出せ、と言う。表ざたにはしていないけれど、実は土方もこのことを悟っていて、「めんどくせい」と言いながら、自分が二十両を出し、場を収める。
本当に意外な展開でしたが、凪様(彩凪翔)の土方も味があっていいし、「俺たちが正義」だというプライドの高い斎藤のグループもよかった。
暗殺場面を決めるアーサの「油小路だ!」もいいですね。これが「蛸薬師」なんかだと、もし史実だったとしても間が抜けますからね。
ダイモンとキホ、吉村夫婦の歌に感動
吉村は貧しさのために脱藩する。だから、妻のしづの衣装もとての地味です。だけども、この二人の歌で、耳でドラマが膨らみます。
吉村が村を離れる時に銀橋で唄う主題歌「雪を割って咲く花」には、心から感動しました。ダイモンの歌はウマイとは思っていましたが、こんなにドラマとして心が動いたことはありませんでした(個人の感想です)。特に「風に乗って届け 俺の心」の所で、家族への思いが伝わってきてジーンとしました。キホ(真彩希帆)の透明感のある美し声が重なり、さら、に胸に沁み込んできます。
アーサの斎藤一に、まずはドキュンとなっていましたが、ここでも、また新たな感動が生まれました。実力派コンビっていい!宝塚的でない地味な物語でも、この歌があるから豊かな世界が生まれる。
また、キホの2役目、みよが七夕幻想ので最後に唄う、「ホ、ホ、ホタル来い」も、本当によかった。この短い歌で、悲しさがジーンと伝わってきました。キホのファントムのクリスティーナも歌姫力があってよかったけど、今回の切ない役のほうが、短い出番ながら、私は好きです。
吉村の最後と大野
幕府が大政奉還し、新選組が負け組になってからの展開は、初見ではよくわからなかった。歴史に詳しくないので。なんで、吉村だけが、御旗をかかげた官軍にひとりで戦いにいどむのか?なんであんなにバンバン撃たれているのに、大坂の南部藩屋敷までたどりつけるのか?
彩風咲菜の演じた大野が、吉村に切腹を命じます。これは、立場としては仕方ない事でしょう。宝塚の初日では、すすりなく人が多かったというのはこのあたりからでしょうか?
咲菜は手足が長く、小顔で、洋装ではそのスタイルの良さが本当に生きますが、着物姿だと、どうも間が抜けるというか。童顔に青天の鬘なのも似合っているとは言い難く。
ダイモン、凪様、アーサに、その他の面々も、和物のほうがいいのでは?と思うほどのはまりようなので、芝居云々よりも、なんだかビジュアルに説得力がないのです(個人の感想)。また、吉村と大野のシーンがそう多くもなかったのもあり、うるうるすることはありませんでした。
まとめ
他の人の書き込みを見ると、現作だと、吉村の後半のことや大野との関係が、もっと良くわかるようです。末息子のこととかも。原作も読んでみようと思います。今回は、斎藤一が最初から最後まで出て、まるで2番手の役のようだったと思います。今後のアーサに注目です。
ショーの「ミュージック レボルーション」もよかった。ここでは、咲菜が、そのスタイルの良さでカッコイイダンスをしているし、ヒトコ達のダンスのシーンもいい。歌ウマなトップコンビだから、もちろん、耳にやさしい。
宝塚は、海外大作ミュージカルよりも、その組のトップ、メンバーにあった新作2本立てが、やはり楽しいです。ま、「ひどい駄作になる」という危険もありますが・・・。
先生方には、宝塚のファンはどういう客層かということを忘れないで、作品作りをしてくださるよう、お願いします。今回のような感動や楽しさを、味わっていきたいので。