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2月17日のサイエンスZEROで、「ハダカデバネズミ」が、短い手足でチョロチョロと動き回る姿を見ました!!なんともかわいいイキモノです。これが、人間でいうと、20才のまま老化せず、90才ぐらいまで生きるとは!!熊本大学での研究結果は、驚くことばかりです。
ハダカデバネズミは不老長寿
ハダカデバネズミは、病気にかかることもなく、老化もしないので、20才ぐらいのまま寿命を全うします。まさに、理想のピンピンコロリです。
人は、年齢が高くなるにつれて、死亡率が高まりますが、ハダカデネズミは、年齢による差がなく、一定しています。これが、老化していないという証拠ですね。
ちなみに、ラットの寿命は長くて3~4年なのですが、ハダカデバネズミは30年。なんと10倍も生きるのです。人間だったら800~900才ってところでしょうか?バンパネラ(吸血鬼)みたいです。
この不思議なネズミは、アフリカの地下にトンネルを掘って、集団で生息しています。だから酸素が薄く、酸素濃度7%で元気に動きまわっています。これは、エベレストの頂上ぐらいの感じです、普通の生活の3分の1ぐらいの濃度なのです。
人間は、低酸素では普通の生活はできないけれど、酸素によって活性酸素ができて細胞を傷つけ、病気になったり、老化が進む。これは、本当なんだなと実感しました。でも、不老長寿をもたらしているのは、それだけではないのです!「なんでー???」と思うことばかりで、番組にグイグイひきつけられます。
ガンにならない実験
熊本大学は、日本で唯一の「ハダカデバネズミ」の研究機関があり、自然のままの生態を観察するために、透明な筒でつながったような、大きなケージで300匹程を飼育しています。
アフリカと同じような環境にするために、室温は30度ほど。おもしろい研究でしょうが、お世話するのは大変ですね。
熊本大学大学院の老化・長寿健康分野准教授の三浦恭子さんが出演され、興味深い研究結果を教えてくれました。
ips細胞による実験結果
三浦さんは、ips細胞を使った世界で初めての実験をしました。ハダカデバネズミの皮膚からつくったips細胞と、比較として人間から作ったips細胞を増殖しました。
半年後には、人間のips細胞は、ガン化してしまいましたが、ハダカデバネズミのものは、正常なままでした。
なぜ、ガン化しないのか
①ガンの増殖を抑える「ARF」という特殊な遺伝子が活発になった。
②ガンを封じこめる働きがあった。
皮膚の細胞の「ARF」の働きを抑え、ガン化しやすくしたところ、細胞は活動を停止してし まい、ガンとして増殖しない。
人にどう活用できるか
①ips細胞の安全性を高める。
②ガンを予防する。
なんとも、素晴らしい研究です。
ハダカデバネズミは無酸素でも死なない
一番に印象に残っているのは、「無酸素状態にしても、死ななかった」ということです。
すぐに気絶してしまったのですが、20分も生きていたということ!!びっくりですよね。
その細胞を調べてみると、ハダカデバネズミにしかない特徴がありました。
脳の中に果糖があった
生物は、糖分をエネルギーにして生きています。果糖も糖なので、人間は、肝臓などで分解して、ブドウ糖に変え、エネルギーを生み出します。だから、脳の中には、果糖はありません。
でも、無酸素状態にしたハダカデバネズミの脳の中には、果糖がありました。ということは、ハダカデバネズミは、果糖のままでも、ブドウ糖に変換して、エネルギーとして使うことができているのではないか、ということになります。
ハダカデバネズミは、エネルギーを使うために、酸素+ブドウ糖の組み合わせだけでなく、果糖だけでも可能と考えられています。2種類の方法が使える、まさにハイブリッド方式なのです。
だから、酸素濃度が0パーセントで、酸素が激減する緊急時には、果糖を全身で使うシステムになっているのではないか、と考えられています。
病気にならないことと、酸素
ハダカデバネズミは、細胞レベルで酸素がない状況に、非常に強いことがわかりました。その結果として、脳梗塞になった時とか、心筋梗塞になって血管が詰まった時にも酸素がなくてもいいので、組織や細胞が傷つきにくく、高齢になるとおこりやすい病気を発症しないのでしょう。
ハダカデバネズミは、低酸素なので、もともと酸化されにくいのですが、さらに酸素を使うことで発生する活性酸素を抑制する成分がとても活性化している、という研究報告もあるそうです。
これは強いですよね!酸化しにくい上に、抑制機能レベルも高いとは!!人間こそ、この機能が欲しいです。
まとめ
ガン化しないこと、酸素がなくても生きていける事、この2つを知っただけでも、驚きの連続でしたが、さらにハダカデバネズミは、真社会性という集団生活をしており、省エネ社会が不老長寿に役立っています。
真社会性というのは、蜂や蟻のように女王様、王様が出産を担い、後は生きるための仕事を分担するという社会です。低酸素で餌も乏しい社会で、遺伝子を残していくのは、これが効率がいいということですが、この点は、人間社会には、応用できないですね。
生命の不思議に触れ、また、ほ乳類でも真社会性をつくっているものを知り、驚きと学びのある番組でした。熊本大学のみなさん、がんばってください!!!
上野動物園で見てきました!見飽きないです。