博多座「Santé!!」感想 女装、ジゴロ、シェフ、デュエットダンス

宝塚の醍醐味は、なんと言ってもショーにあります。小学生だった私が、初めて宝塚に連れて行ってもらい、ショーを観た時、どれほどの衝撃を受けたか。それまで、TVのマンガぐらいが楽しみだった幼い心に「世の中にこんなに華やかな世界があったのか!!」「こんなに歌がうまい人がいたのか!!!」という感情が湧きだしてきたのですから。

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「Santé!!(サンテ)」は、花組の本公演では観てないのですが、CS放送のCMで見ると、主題歌の「シャルラ、シャルラ、シャラル~ララ」はノリがいいし衣装も華やか。なんと言っても、みりお(明日海りお)&レイちゃん(柚香光)のビジュアルの良さは万人に通じるだろうし、ゆきちゃん(仙名彩世)は歌うまだし、まぁ、間違いはないだろうと思っていました。

博多座花組「Santé!!」感想 女装がないと演出できないのか?

内容については、全く前知識がなかったので、宝塚などめったに観る機会のない地元の人たちと同じです。オープニングは、男役の女装。それも5人も。「藤井大介、また、これか・・」と、進歩のなさに、ちょっとゲンナリ。皆さま、華やかで美しいですが、なんだか高級オカマバーのような水っぽさがただよう。娘役を上手に使って表現することはできないのか?男役の使い方のバリエーションはないのか?

ということで、演出家に不満を持ってのオープニングとなりました。女装メンバーは、あきら、ちなつ、レイちゃんとあと二人。そのうちの1人は、「金色の砂漠」の新人公演でキキちゃんの役をやっていた若手だと気づく。ちょっとハーフのような顔立ちと、もともと共感しやすい役を、暖かく演じていて印象に残っていたのです。TVでしか見ていないので、「けっこう背が高い」とか「ここに入ってくるポジションなのか」とか。あとで、パンフレットで見て、「亜蓮冬馬」というのがわかりました。

女装の中では、ちなつは、長い手足で、口元、目元から色気が溢れて美しいのはいつもの事として、アキラが意外にきれいみ見えたのに驚き。最初は、男役メイクにバービー人形みたいなかつら被っている、くらいにしか思わなかったのですが。動いていると美しく見えてくる。色気たっぷりの男役なのに、なぜ??と思って観察していると、首の線がきれいで、腕の使い方が柔らかいのかな?とか、上級生ならではの、「見せ方」の研究が行き届いているのかとか。不思議で、目が離せない。手が大きいから指先までの動きがなめらかなのかなと思ったり。

ショーの中詰めあたりでは、今度は、みりおが華やかなドレスで登場。これは、女装とも思えず、普通の綺麗な女性で、危険な香り、妖しいものは何もない。ということは、娘役の役割では?みりおのように、もともと華奢で丸顔の華やかな美人が、ドレスアップすることに、宝塚のショーとしてなんか意味はあるのか?みりおが男役だからこそ出せる魅力(エドガーのような)を元に、構成を考えて欲しいのに、と思います。

博多座花組「Santé!!」感想 ジゴロに萌え、シェフに和む

華やかなプロローグの最後は、酔っぱらったみりおが担がれてはけるシーンとなる。これも、藤井大介が花組で演出した「カクテル」で、大鳥れいがかつがれてはける似たようなシーンがあったな・・・。などと思っているうちに、「これはANJUさんの振付けだな」というのがわかるジゴロのシーンになります。こんなのがあるとは知らなかったので、萌え萌えです。

みりおからちなつぐらいまでしかわからないので、帽子から見える横顔が、鼻筋が通ってかっこいい、今のはだれ?とか、真ん中以外も観たくなるから大変です。みんなかっこよかったです。ANJUさんは、本当に男役をかっこよく見せてくれます。このシーンで、博多座まできて良かったと、心から思えました。

その後、天真みちるが出てきて、フランス料理の明るいシーンとなります。そこで光ったのが、亜蓮冬馬です。シェフの役ですが、とにかく笑顔が明るく華やか。イキイキ健康的で、おいしいものが作れそう。楽しくなるシーンでとても良かった。これ以外の若者がみんなで踊るシーンでも、目がいきます。ちょっと鳳蘭に通じる明るさがあり、また、湖月わたるの元気さも感じます。背が高いのと、丸顔で、オデコがつるんとしているところでしょうか?「金色の砂漠」は重い話だったので、こういう魅力がある男役だとは気が付きませんでした。人数が減るので、こういう若手の魅力を発見できるのが、地方公演のいいところですね。

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博多座花組「Santé!!」感想 デュエットダンスが華やか

「乾杯」での男役群舞が終わり、ゆきちゃんが、大階段から降りてきて、デュエットダンスになります。このショーはゆきちゃんがトップ娘役になった時のもので、その時のデュエットダンスと今回では、変えているとスカステの番組でゆきちゃんが言っていたし、プログラムに載っている本公演の衣装とは、確かに違っています。

今度のドレスがとても美しい。それまでの舞台は、ローズやピンク、赤の印象が強く、キラキラと華やかな印象だったのですが、このドレスは襟元からオレンジのグラデーションになったシンプルなドレス。襟元に黒のフサフサがついているだけ。体の線が美しく、大人っぽいゆきちゃんにとても似合います。夕焼けをイメージしてつくられたということですが、まさにその通りの美しさ。シンプルな燕尾に赤いバラ1輪を胸にさしたみりおとの衣装とも合います。

ゆきちゃんは、かわいいというタイプではないので、1人で出演していると、何かちょっともの足りなく感じる時があります。だけど、みりおと一緒の場面では、ゆきちゃんの大人っぽさに、みりおのかわいさが加わることで、ちょうどいいバランスになるとでもいいましょうか、好きです。途中のフランス料理のところでも、羽立光来のすばらしい歌で、赤い衣装の二人が踊るのですが、そこもよかった。踊る背筋も美しいので、ドラマを感じます。

博多座花組「Santé!!」感想 まとめ

他に良かった場面は、アキラが若手男役帆純まひろと踊ったところ。ちょっとガタイが大きい感じで、アキラは大変だろうと思いましたが、かっこよさは変わらず。本公演はマイティと聞いて、どんなのだったろうと興味が湧きました。こういう意味のある女装はOKです。

また、先ほども書きましたが、羽立光来の歌は、すばらしかった。「あかねさす紫の花」でも、「白雉の賀」の幕前のシーンで歌うのですがそれも「すごいうまい人がいるな」と驚き、びっぐさんだと気がつきました。こういう人がいると、厚みが出ますね。

娘役も声がきれいで、歌がうまい人が多いと感じましたが、「これをなぜ宝塚の娘役にやらせるのだろう」と思ったシーンがありました。それは、エディット・ピアフがシャンソンを歌うところ。「あかねさす」では、鏡女王を好演しており、声もきれいだし、歌える人と思っていた桜咲彩花ですが、「愛の賛歌」は、無理でした。雪組の咲妃みゆが、退団後すぐに宝塚OG達が歌う越路吹雪のコンサートに出演しシャンソンを歌った時も、「娘役にはシャンソンは厳しい」と思っていたし、なんで宝塚でこんなシーンが必要なんだろうと思い、後で友人に聞いたら、ここは、マギーと美穂圭子さんのシーンだったと。それならわかるわ!!と納得。聞きたかった。

まだ、半分公演はありますから、ショーはどんどん進化していくでしょう。ライブビューイングが平日なのが残念です。CS放送の千秋楽ニュースまで、待つしかありません。博多座は福岡という意味では遠いけれども、便利な場所できれいな劇場なので迷っている方はどうにかしてでも生の舞台を観ることをおすすめします。

花組が5月に博多座で「あかねさす紫の花」を上演すると知った時、今度は絶対に行きたいなと思いました。それは、2002年の花組博多座公演を録画で見て、春野寿美礼の中大兄皇子にドキューンときて、「行けばよかった・・・」と後悔したからです。
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