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「今日は浴衣を着た若い人達が多いな」と思う日は、大きな花火大会のある日。年々、浴衣を着る人が増えているようで、着物好きの私としては、嬉しい限り。
人気の花火大会に浴衣でデート 場所に着くまでが大変
振袖を着る成人式は、会場も駅からそうと遠くないところにあり、式典の間は座っているし、その後の2次会があっても、きちんと場所を取っていたり、準備万端です。当日、大雪にでもならない限り、不確定要素の少ないイベント。ま、飲みすぎた場合は別ですが・・・。
ところが、花火大会は違います。
花火大会は不安定要素だらけ。特に人気ランキングに取り上げられるような大きな花火大会は大変。まず混雑が半端ない。そして、便利なところにはない。打ち上げ花火をドーーーンと打ち上げるのですから、ちょっと離れたところでないと無理ですよね。
私は、昨年、初めて東京の大きな花火大会行きました。グループで場所を取っているから、時間に合わせて来ればいいということだったので。昼間にも着物ででかける用事があったので、浴衣を着物風に着て、帯は半幅にし、足袋に下駄という組み合わせで、新鮮な体験にワクワクして向かいました。夜7時15分の開始に合わせて、6時頃に最寄り駅に行く予定でした。ところがここからがびっくりの連続です。
1.日ごろは空いている、土曜日夕方のJR総武線が、すし詰めの大混雑!!
「我が目を疑う」というのは、こういうことだなと。JRに乗れば15分程だから、余裕で間に合うと思ってのんびり待っていたら、そこにゴーッと入ってきた電車は、混雑で中が真っ黒に見える程!!余りの驚きで、目を見開き、あわあわ、おろおろしているうちに、「次の電車に乗ってください」となり、積み残しに・・・。
ボーゼンとしながらも、これではいけないと車両の位置を後ろの方に移動。お楽しみにしていた気持ちは、すっかり焦りに変わりました。調査不足だったと猛反省。次の電車に向けては、朝の出勤の時のように戦闘モードで並んでいたので、どうにか乗れました。
ほとんどが花火大会に行く人達。若い女性は浴衣姿が多い。カラフルな浴衣を着て、帯は華やかに結ぶだけでなく、オーガンジーみたいな生地がついていたりする。髪の毛はアップスタイルだけれども、編み込みにしたり、カールをしたり、かわいい髪飾りをつけて、かなり凝っている。浴衣は、どんなにかんばってもカジュアルなものなので、髪型が豪華すぎるようではありますが、どれだけ、「花火大会+浴衣」に向けて準備してきているのか、最近の盛り上がりを肌で感じることができました。みんな、キラキラして綺麗です。
2.これで最寄り駅か?どれだけ歩けば着くの?
花火大会の最寄り駅で、人がドドッと降り、大混雑です。この駅でトイレに行かなくていいように、乗る駅までに済ませておきましょう。
人がゾロゾロ歩いている後ろについていけばいいので、道に迷うことはありませんが、いつになったら着くのかわかりません。道の両サイドにでは、食べ物やら飲み物を売っています。「この先に行くと、ないと」とか言って。
とにかく、延々と歩きます。初めての浴衣で素足に下駄だったら、鼻緒の間が痛くなったり、かなり足が疲れたりすることもあると思います。だから、バンドエイドとかは必需品です。
川風が吹いてきて、やっと着いたと思ったら、そこはあくまでも、土手であって、花火を打ち上げる河川敷ではない。特に友達が取っている場所は、打ち上げ場所に近い所だったのでさらに歩く。場所に番号がついて区切られているのですが、だんだん暗くなってくるので、わかりにくい。広いし、シートはいっぱい敷いてあって人が座っていて歩きにくいし、本当に大変でした。駅から、目的の場所まで、1時間近くかかりました。
人気の花火大会に浴衣でデート 打ち上げが始まってから
打ち上げ場所に近かったので、ドーンという大きな音には驚きました。と共に、生の感動が。花火もとても大きくてきれい。ここまで来てよかったなと。
ところが、時に灰が降ってくるのです。これが浴衣についたら、パッパッとすぐ払わないといけない。途中からは、つかないように、ビールの外箱とかで、覆ってました。初めて着た浴衣が灰で汚れたら、気持ちが下がるでしょうね。特に初デートとか、浅い関係の時にはマイナスですね。
また、目にも灰のかすが入ってきます。洗い流したくても、目薬を持って行った方が安心です。風向きによっては煙が流れてきて、花火が見えない時もあります。
トイレは仮設でいくつかありますが、前もってみたら、暗くて使いにくいそう。手を洗うとこえおもわからなかった。だから、缶ビール1本だけで、花火を観賞しました。
浴衣で仮設トイレに行く場合、裾を帯に止めるクリップ2個を持っていくことをおすすめします。裾を持ち上げて、帯の上側のところで挟み込んで留めるのです。もたもたして長居すると後の人にも迷惑だし、気持ちよくすませたいのでね。また、手を拭く携帯のウエットティッシュもあったほうが安心です。
人気の花火大会に浴衣でデート 帰るのも大変
河川敷での花火大会なので、川からの風や、広々とした空間を感じるのはとても心地よかったですが、問題は、帰りをどうするかです。
来るときはJRにしましたが、地下鉄の方が近いというので、そちらに向かいました。途中大きな公園があって、そこでも十分、花火が堪能できるというのを知り、デートなら、このぐらい距離があるほうがいいなと思いました。灰も飛んでこないし、花火は綺麗に見えるし。なんと言っても、トイレも仮設ではなく、公園に備えつけられているものというのがいいです。
後でHPを見たら、JRからは25分、地下鉄までは15分とありましたが、広い河川敷のどの場所を起点にしているのかわからないので、どちらの駅からも、もっと時間がかかったように思います。私は足袋を履いていたし、日ごろから下駄を履いているのでよかったですが、初めてだったら、きつかったと思います。
多くの人が駅に向かうので、地下鉄の駅は入場制限になっています。長距離歩いているので喉がかわき、お腹が空きます。どこかお店に入ろうと思ってもどこも一杯。デートではなく、女子二人だったので、安い居酒屋の2階の外の廊下に設置した、ビールの空き箱を椅子にしている「特別席」にしました。メニューも簡単なおが10種類程度という、効率重視のもの。初デートだったら、悲惨ですよね。
歩いている時は、まだ風もあったのですが、廊下の席はクーラーもなく、蒸していて熱い。浴衣は軽装の夏服より熱いので、汗がジワリと出ます。さらに、浴衣が汚れることが気になります。
花火大会終了から、歩いて30分、店に探したり入るのを待つのにもそれぐらいかかり、店の「特別席」で飲んでいたら、駅の入場制限がなくなり、帰途に着くことができました。
肌で感じた河川敷の空気、花火の輝き、美しさだけではない、灰や煙、大きな音、すべて五感を刺激してよかったですが、次からは、気軽な涼しい洋服で行きたいと思いました。また、帰りの時間に合わせて、駅近くの店を予約しておくのは必須だなと。特にデートの場合は、決まったらすぐに問い合わせるべきです。
花火大会の浴衣でデートの注意点 まとめ
「花火大会に浴衣を着る」というのが流行の一つとなっていますが、初デートのような、浅い付き合いの時は、やめたほうがいいように思います。でも、若い女性が、ワクワク感の強い出会いの時期に、浴衣でかわいく見せたい気持ちもわかる。
花火大会は、素足に下駄で歩いたり、自然の中にいるので汚れたりすることもあります。だから、まず、下駄はあまり安いものを買わず、しばらく近所で履いて、足になじませておきましょう。また、浴衣の帯もあっさりした締め方の方が、涼しくていいと思います。凝った結び方のできる、長い化繊の帯が流行のようですが、化繊は熱がこもりますから、絹の博多帯や、綿や麻のものにしたほうが心地よく過ごせるでしょう。
また、トイレは仮設になりますから、家で浴衣の裾をクリップではさんで手早く済ませる方法も練習しておきましょう。
さらに、浴衣を脱いでからの後片付け。花火大会の後の浴衣は、汗をしっかり吸っています。だから、ドライクリーニングはナンセンスです。なぜなら、ドライは皮脂や食べこぼしなどの油性の汚れを落とすものであって、汗を落とすものではないからです。
脱いだ浴衣はまずハンガーでつるして干し、そのあと、サッと水で洗うのがおすすめです。水で洗うと、木綿の場合、着丈が2センチぐらい縮むかもしれませんが、それは着付け調整できる範囲です。それよりも、汗が残って、生地を傷めて黄ばんだり、変なにおいが出ることのほうが問題です。季節の終わりにしまう時には、おしゃれ用洗剤を使って洗うといいでしょう。
また、長い距離歩いたりするので、襟元がはだけたりなどの着崩れを直せるようにしましょう。特に、バストの豊かな人は、きれいに着られる下着を準備するのがおすすめです。
今は、ユーチューブやDVDなどで、着付け方法もわかりやすくなっていますから、花火大会のために買った浴衣を自分で着付けができるように練習し、近所で着たりして、慣れてからデートに臨みましょうね。
また、誘った男性は、行き方、花火を見る場所、店の予約など、しっかりやっておきましょう。足が痛いとか、疲れたとか、お腹が空いたとかがなければ、自然の中にいると心が解放されて、親しくなりやすいのは間違いないですから。