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宝塚の初見の時は、胸にズーンときすぎて、そのあとの「Gato Bonito!!（ガートボニート）」は何だか上の空、というか、早くこの感動がなんだったのか、自分の気持ちを振り返りたくて。また、当たり前のことですが、ショーには轟さんは出てなくて、ダイモンが主演でキーちゃんが相手役。さっきまでの悲しい恋はどうなったの？ということで、心がついて行かなかった。それぐらい、力のある作品でした。
雪組「凱旋門」 宝塚での観劇３回目で
その後、宝塚の当日B席と、立ち見で昼夜通しを観る事ができ、やっと、心を整理し、物語の悲しみを浄化して、深く受け止めることができるようになりました。だから、Gato Bonito!!（ガートボニート）は、３回目の観劇から、普通に味わうことができるようになり、歌うまのトップっていいな～と。
でも、ショートヘアの男役スター４名の、オカマか女かわからないシーンには馴染めず・・。サキナちゃんだけは、抜群のスタイルの普通の女子で、山本リンダみたいだと思いましたが。藤井先生のこのあたりの嗜好って、何なんでしょう、好きになれないなー。
雪組「凱旋門」 初演DVDを見る
あまりに感動が大きかったので、初演がどうだったのか見たくてしょうがない。そうしたら、ヅカ友の１人がDVDを持っており、見る事はできました！
その時の轟さんは、輝く美しさ。月影瞳もクールビューティです。そして、ボリスは香寿たつき。安蘭けいやら、朝海ひかるやら出ていて、今回の再演よりも、ラヴィックとボリス以外の周りが大人びて、存在感がある。考えれば、これは、轟さんと、周りの年齢が近いから、当然ですよね。
一番違ったのは、ラヴィクとジョアンの関係性。月影は大人っぽい美人だから、二人の関係が色っぽい。そして、「女優になれそう」ということにも、納得できる華やかさが伴う。アンリも大人っぽい立樹遥だから、ラヴィックが、アンリとジョアンの関係に嫉妬するのも、一般的な男女のものに感じる。だから、この物語の切羽詰まった悲しさとかぶらない。
安蘭けいたちの華やかさや、香寿たつきのボリスの軽さなども全然違う印象だし、最後にフィナーレがあることで気持ちが完結し、観終わった感じは全く違くものでした。これも生で、観ておきたかった！
雪組「凱旋門」 東京公演にて
DVDを見て、今の轟さんだから、悲しくて、胸にせまるんだなと確認しました。東京公演はチケットがなく、宝塚と違って当日券も厳しい。でも、ライビュだけでは、後悔すると思い、どうにか、先週の平日に１回だけ確保。
そこで感じたのが、ホテルに住む人々の輪郭がはっきりしてきたこと。轟さんの歌う声が、高いとこは掠れるけれども、心配するほどではなくなっていたのもよかった。
また、２階のS席の後方のセンターで観たので、複数人でのダンスのシーンがとても美しかったし、舞台美術の美しさも堪能できました。主題歌は耳になじみ、より気持ちを盛り上げてくれます。
ボリスのキャラの軽い感じは、ダイモンよりも香寿たつきのほうがあっているように思いましたが、ダイモンのなめらかな歌声が、この物語を上質なものにしているのを感じました。
雪組「凱旋門」 千秋楽ライビュの熱演
そして、今日の千秋楽ライビュ。ライビュは、そのカット割りにイラつくこともありますが、アップがあり、表情が良く見えるという良いこともある。轟ラヴィックの、斜めにかぶったハットからのぞく、頬の線のコケ方がいい！美形は、若ければいいというものではありませんね。また、出会ったあと、恋に落ちていいくときの、キーちゃんの目もキラキラ感がまして、かわいかった。
でも、濃くなっていくのは、中盤以降、ラヴイックが国外追放になり、やっと戻ってきてから。ジョアンがいなくなったとボリスに聞いて、落胆していた時に、偶然ジョアンと会う。その時のやりとりのジリジリした感じとか、ジョアンの家に行って、影に男がいると感じ、嫉妬に苦しむところ。「なぜいますぐに戻って、ジョアンを連れ出さないんだ！」と苦しい言葉を吐き出しながら、未来のない自分には、そんな勝手は許されない。どうしようもない運命の中で、ジョアンに対して一歩前に進めない苛立ちや、苦しみ、悲しみが溢れ出ていました。
シュナイダーに復讐をとげ、心に区切りをつけた後からのシーン。ピストルで撃たれたジョアンの部屋に行き、二人の最後の別れ。二人の熱演に、涙しました。ホテルに戻り、収容所に入るために、ボリスと別れる。「男のキスは嫌なんだよ」と言いながら、抱き合う二人。二人が離れたところでも胸が熱くなり、涙が出ました。ダイモンとボリスの友情が、ライビュでは、強く感じられました。アップが多いからでしょうか。
千秋楽ライビュでのダイモンの挨拶が、晴々
「Gato Bonito！！」が終わり、退団者の挨拶があり、最後にダイモンの挨拶です。今回の公演は99回あり、「クロネコのタンゴ」のシーンで、ダイモンのアドリブがあります。それについて、「初めは、自分のお悩み相談にしていて、それが悩みがなくなってきて、悩みがないことが悩みになり、（銀橋の）３人にもむちゃぶりをし、ベルばらもやったり・・（ちょっと忘れました）。でも、99回やり遂げることができました–！」と-晴々とした笑顔。大きな拍手が湧きます。
そんなにダイモンを観てきたわけではないですが、ダイモンとアドリブってあんまりつながらない。でも、紅さんとかのノリノリな感じではなく、夜のクラブみたいな雰囲気で、おもしろかった。このシーンのきーちゃんもとってもかわいかったし。
まとめ
轟さんの主演公演は、東上してチケットが取れたのは観ていました。最近では、リンカーンでしょうか？髭が良く似合っているのには、さすが、と思いましたが。でも、今回ラヴィックを観て、轟さんは、二枚目なんだ、と実感。年齢を重ねた二枚目として、得難い魅力があるので、他の誰にも追いつけない男役芸を生かして、今回のような、しっかり中身のある大人の男のロマンチックな役をやってもらいたい。上田久美子先生とか、何か書いてくれないかなー。
ダイモンときーちゃんは、次の「ファントム」が楽しみですね。ダイモンは、軽いキャラよりも、思い込みの激しい役で観てみたいです。これもチケ難でしょうが・・・。
５回も観たので、雪組の若手にも目がゆき、こうやっていい作品があると、その組に親しみがわき、好きになるんですね。「ファントム」、何回行けるのでしょうか？
