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明治座『仮縫』感想 檀れいと高橋惠子が服飾業界で華やかに

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ダンちゃん(檀れい)が、明治座で高橋惠子共演で主演をする。それも有吉佐和子原作の『仮縫』。題名からも、デザイナーとかファッション界の話だと思い至る。この2人なら、華やかな舞台になることは間違いない。

明治座『仮縫』感想 檀、高橋の美しさに驚く

『仮縫』は、日本で唯一のオートクチュール パルファンを経営するデザイナー松平ユキと、洋裁学校で学んでいたところを、スカウトされた清家隆子が繰り広げる物語。

舞台は、パルファンの仮縫い室。赤と金の壁紙の高級感のある洋風な部屋で、華やかなドレスの仮縫いが行われています。2階に各部屋のドアがあり、その1つから、松平ユキを演じる高橋惠子が登場します。

登場の瞬間、パッと華やぐ美しさ!!オートクチュールデザイナーということで、おしゃれな衣装だし、高いヒールにピンと背筋を伸ばして、堂々たる存在感。低めの落ち着いた声も、デザイナーとしてだけなく、経営者としても有能であることがにじみ出ています。オートクチュールのお客様への接客にも、品があって素敵です。高橋惠子の舞台は時々観ていますが、この舞台の華やかさは、格別です。

清家隆子(檀れい)は、ユキにスカウトされて、右も左もわからない感じで、お店の中に入ってきます。その時のダンちゃんのかわいさといったら!!とても40代半ばとは思えない驚きの若さです。

襟元をきちんと留めた白いブラウスに、幅広のウエストベルトで、水色のギャザーの入った長めのスカート。昭和の香りの清楚な風情が良く似合い、まだ現役のタカラジェンヌの娘役と言ってもおかしくない。これからの自分の仕事への誇りが感じられ、キラキラと輝いています。

この二人の登場シーンだけでも、「来てよかった」と思える美しさ。これから始まる、服飾業界という華やかな世界の物語への期待が高まります。

明治座『仮縫』感想 檀、高橋にからむ男たち

松平ユキには、外に勤めにいかず、ユキの店で、運転手兼ドアボーイという、何をしているのかわからない弟信彦(葛山信吾)がいます。子供の頃から姉であるユキが好きで、まとわりついているという設定。仮縫いに来たお客様にお茶をだしたり、ちょっとお相手したりというような。葛山信吾が演じているので、見かけはいいのですが、昭和30年代の日本の男としては、「ちゃんとした仕事についていない」という、ビミューな存在です。

また、ユキが若い頃、パリへ留学していた時に同棲していた恋人が古谷 一行の相島昌平。こちらも、画家としては成功せず、銀座で画廊を経営している。パリにいたころ、ユキと同棲していたのは、「経済的理由のため」といいながら、今でも、二人にはつきあっているよう。画廊では、有名な絵を才能ある美大生に模写させて、「贋作」として販売する、という一流とは言い難い仕事もしています。

明治座『仮縫』感想 檀、高橋以上の存在感、山本陽子

幕開けには、花道のセリから登場し、「根津美術館の横に、昔、オートクチュール パルファンがあった・・・」と語る、この物語の終わりを暗示する、地味な着物姿で足元もおぼつかない老人。「この人は誰?」と思わせる存在感で、惹き付けられたのは、山本陽子でした。パルファンの中村たつというお手伝いさんを演じています。

ユキが大切にしているであろうガレの花瓶を割っても「風でカーテンが揺れたから」とか言って、ユキに叱られることもない不思議な存在です。キレイな着物を着て、「ちょっと散歩してきます。「みじめな女は、こういう時に一張羅を着るものだ」みたいなことを言って、堂々としている。ユキや信彦と、何か特別の関係があることを暗示しています。

隆子が店にきて暫くたって成長してきたので、ユキは隆子を代表代行として店を任せ、半年程パリに学びに行くことにします。ユキがパリに出発する前に、隆子はデパートと組んで、パルファンからプレタポルテブランドを立ち上げることや、若い映画女優が主役の洋服のデザインをすることが、「オートクチュール パルファン」の宣伝にもなって、必ずプラスになると強く訴え、ユキから許可をもらいます。

代行として仕事を始めた隆子は、とても張り切っているのですが、「こういう人が上司になったらかなわないわ」という、辟易する高飛車な態度です。ダンちゃんも、ポニーテールからオカッパにし、お針子の制服から、おしゃれな衣装に変わっています。

急に責任のある立場になって、つっぱているのか、感違いしているのか?その傲慢な態度で、「お手伝いさん」としてたつにも接します。そこで、たつは、自分とユキの関係を話します。自分はユキと信彦の母親であると。でも、隆子は、ユキからその話を聞くまで、信じることできないし、特別扱いすることはできないと、つっぱねます。

新たな事業であるプレタポルテブランドのために、運転資金が不足します。しかし、隆子はユキから、経理について任せられておらず、信彦にも、お金の所在はわかりません。代行として仕事を任せられていて、会社の経理について何も知らないというのもおかしな話ですが。隆子は、引き継ぐ時に、お金のことまで頭が回っていなかったんだなということで、一応納得。

信彦もお金の所在を知らず、では、誰が知っているのか、今からユキに手紙を書いても間に合わないと、信彦とあれこれ言い合っている時に、たつが登場。金庫は台所の隅にあり、カギは私が預かっていると言います。そして、隆子に「お手伝い」の私に頭を下げて、「お金を出してくれ」とは言えないでしょと突き放す。

仕事であると考えれば、ここで、お金を出してもらうのが筋ですが、突っ張っちゃってる幼い隆子ですから、たつには、太刀打ちできません。

明治座『仮縫』感想 働く若い女性と年上の男

隆子は、まだユキがパリに行く前に相島の画廊を訪れます。そこで隆子が気に入ったパリの風景の絵を、相島は隆子にあげます。いつか自分の目で、本物を見るといいと言って。

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次に、隆子が相島に会うのは、ユキがパリに出発する日です。相島が、パリに行くことを誘ったので、新たな刺激が必要と感じていたユキは一緒に行くことを決心したのですが、当日になって、相島はパリには行かないと隆子に言う。それが、「一緒に行きたい人ができたから」「あげた絵の風景を一緒に見たいから」と。驚いた隆子は「2度と相島さんには会いません」と突っぱねます。

自分の元彼女であり、今も付き合いの続く女性の会社のスタッフに、高い絵をあげたり、こういうことを言う男って、どうなの?物語としてはありがちな展開ですが、社会人として働いた経験から考えると、働く女性の敵であり、最低のセクハラオヤジとも言えて、気持ち悪い。さらに、舞台で観る古谷一行は、若々しい女優二人に比べ年齢を感じさせ、朝の連続小説「ひよっこ」のいい感じのおじいちゃんキャラがあっている。その「おじいちゃん」が、「何言ってんの?」という違和感で、相島が出てくるたびに、なんか微妙な感じになります。

資金繰りに困った隆子は、相島の画廊に行きます。ちょうど、贋作を売ったお金が入ることになった相島は、その半分を貸し、その後、毎月お金を返しに行くときに二人は関係を持つようになります。物語の展開上、一人の男を挟んで、二人の女が戦わないとしかたないのでしょうが、さらに違和感が増します。お金のことがきっかけなんですから。小説だと、それ以外の出来事がもっと書き込まれているのかもしれませんが・・・。

明治座『仮縫』感想 挫折したけれど、立ち上がる隆子

パリからの帰国を3ケ月も伸ばしていた隆子が、突然帰国してきます。そこには、新たにユキがデザインし、仮縫いをして仕上げたドレスが何着も届いています。隆子は、デパートでのプレたポルテのファッションショーの準備がピークに達している時で、外出中です。

パルファンに帰ってきたユキは、たつに金庫の鍵を返してもらいます。何かお金が必要になったんだと感じたたつは、土地の権利書も入っているから好きにすればいいという。この時に、ユキとたつ、信彦の関係がわかります。

実は、たつは、戦前、ユキの父親のめかけであり、信彦は、ユキにとっては、たつが産んだ腹違いの弟だったのです。たつは、父親が戦死し困っていたユキを引き取り、自立した生きていけるよう、洋裁学校に行かせるだけでなく、さらにパリにも留学させたのです。自分の子供よりも、しっかりとした教育を与えたのです。

「めかけに育てられて」とか皮肉なことを言う信彦。夜になると化粧をして出かけてたのも知っているとも。この時代、女性ができる仕事は限られている。たつは、「私は古い女だから」とさらりと言う。山本陽子には、こういう心情を言える風情があり、かっこよく、胸に沁みました。ここは、さすが大女優二人の名場面となりました。

ユキはパリで新たな刺激を受け、「パルファンはオートクチュールだけでやる」ことを決心します。そして、隆子には黙ってプレタポルテブランドを立ち上げる契約をしていたデパートと打ち合わせをし、プレタポルテのファッションショーを、自分のオートクチュールのショーに変えることにします。プレタポルテブランドを中止したことで、パルファンの土地を担保にして、莫大な違約金を払うことになるのです。これを黙って進めたのは、隆子が相島と付き合っていることを察知していたからです。

前ばかりみていた隆子は、ここで足元をすくわれたわけですが、針の筵の中、オートクチュールのショーの準備には最後まで参加します。ショーが終わりパルファンを去るのですが、舞台に一人立って、「大丈夫、まだ私は若いんだから、まだ、仮縫いをしたばかり。これからまた仮縫いをして、それから本縫いをして、がんばればいい!!」と前に向かう決意をします。一人立つ隆子のバックから、歌謡ショーのように、花吹雪が吹きだして終わり。

ユキと相島はまた、関係が戻っています。相島との関係を察知して、隆子に黙って事を進めたわけですが、このなれあった関係はなんなんでしょう?ユキは大人の対応としても、相島は、隆子とのことはどう思っているわけ?隆子も、仕事で陥れられたことの衝撃は大きくても、相島のことで、傷ついている感じはありませんでしたが。

物語が幕となった後、主要人物5名が一人ずつ出演し、役として話して去るというすてきなフィナーレがついていました。女3人の強さに比べると、フワフワした男2名でしたが、ここに登場することで、浄化されました。また、山本陽子の年齢を重ねた着物の着方が素敵で、この人の舞台があれば、また観たいと思いました。最後に高橋惠子が黒のアダルトなドレス、ダンちゃんが白いスカートの広がった華やかなドレスで登場。服飾業界の華やかな物語をしめくくります。

明治座『仮縫』感想 まとめ

昭和30年代のオリンピックを目前にした時代の物語で、今とは違う時代感覚であったと思います。さらに、強い女の物語には弱い男は必要なのだなと。みんな強かったらギスギスしますから。ダンちゃんも高橋惠子もきれいすぎて、男に傷つけられる女という感じはしないし。古谷一行は、このゴージャスな舞台にはナチュラルすぎる気もしましたが、逆に派手な感じの人がやったら、もっと嫌な感じになったのかもしれません。

高橋惠子、山本陽子の大女優に比べると、ダンちゃんの演技力は、まだ発展途上にあるなと感じます。でも、ダンちゃんのかわいさ、キレイさは健在。これからも、いい方たちとの仕事を重ねて、一歩一歩、進んで欲しいと思います。

清家 隆子役:檀 れい
松平 ユキ役:高橋 惠子
松平 信彦役:葛山 信吾
中村 たつ役:山本 陽子
相島 昌平役:古谷 一行

2018年5月6日~28日

CS放送の宝塚スカイステージの番組に「小林一三が愛したタカラヅカ 特別編」というのがあり、元月組トップコンビ、真琴つばさと檀れいが、小林逸翁美術館の1階の120席ほどの小さなマグノリアホールに出演したのを知りました。
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